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MGC イチおし

野上恵子 けがに苦しみ続けた遅咲きランナー、再び輝く姿を

【女子マラソン】2位でフィニッシュし笑顔の野上恵子=ジャカルタで2018年8月26日、宮間俊樹撮影

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東京本社運動部・田原和宏

 これほど輝かしい舞台が待っているとは、本人も想像していなかったに違いない。昨年8月のジャカルタ・アジア大会で、銀メダルを手にした遅咲きランナー、野上恵子(33)=十八銀行=が私のイチおしだ。東京五輪の代表を決める大一番で、再び輝く姿を見たい。

 もう丸10年近く前になる。私が福岡に勤務していた2009年10月。福岡県で開催された実業団女子駅伝西日本大会で、全日本大会のガイドブック向けの取材で初めて話を聞いた。試合後、「グラビア取材? 私がですか」と戸惑う本人から秋晴れの空の下のベンチに座り、聞かされたのはけがに苦しみ続ける競技人生だった。

 強豪校で知られる古里の兵庫・須磨学園高に入学したが、全国高校駅伝は3年連続で補欠。3年時には初の全国制覇を遂げたが、全国の舞台を走る夢はかなわなかった。

 理由は10代の陸上選手に多く見られるシンスプリントと呼ばれる脛骨(けいこつ)の疲労性骨膜炎が原因だった。「(須磨学園で全国制覇して)すごいと言われるが、私自身がすごいわけじゃないんです」とつぶやいたのが印象に残っている。

 高校卒業後、サニックスに入社したが、ようやく走れるようになった3年目に廃部。十八銀行の高木孝次監督(当時)の目に留まり、移籍した。そう言えば、初めて取材した時もエースは別の選手だったが、高木氏から「取り上げるならぜひ野上を」と言われ、3人抜きの力走を見せた本人に話を聞いたのだった。いま思えば、取材されることで自信を取り戻してほしいという高木氏の心配りだったのだろう。

 「万全の状態で走ったことがない」と話していた野上が、ようやく初マラソンに挑んだのは29歳の時。15年3月の名古屋ウィメンズで6位入賞し、新たな道が開けた。本格的にマラソンに取り組むことで少しずつ体が強くなり、けがも少なくなったという。試行錯誤を積み重ねてたどりついたレースは、きっと味わい深いものになる。

野上恵子
田原和宏記者

田原和宏

 毎日新聞東京本社運動部。1972年、奈良県生まれ。教職などを経て2001年入社。06年からスポーツ取材に関わり、福岡、大阪勤務を経て13年から現職。16年リオデジャネイロ五輪では体操、卓球などを担当。東京五輪取材班キャップ。スポーツクライミングなど新競技にも注目する。職業病なのか、「おかしいやろ」が口癖。

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