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MGC STORY

松田瑞生「腹筋女王」は弱さを上回る究極の負けず嫌い

女子1万メートルで優勝し喜ぶ松田瑞生=山口市の維新みらいふスタジアムで2018年6月22日、宮間俊樹撮影

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松田瑞生(24)=ダイハツ

 昨年10月、宮崎市内の合宿で取材した際、松田はこぼした。「レースが終わった後、涙が止まらなかった。悔し泣きはなかなかしないですけどね」。その前月、ベルリン・マラソンを2時間22分23秒で駆け抜けた。MGCの参加資格を得られる期間(2017年8月~19年4月)での最速タイム。周囲の評価は高かった。でも、海外勢と勝負できなかった5位に納得がいかなかった。

 五輪や世界選手権の代表を次々と育ててきた所属先のダイハツ・林清司監督は舌を巻く。「負けず嫌いの部分ではちょっと次元が違う」。練習でチームメートに引き離されて終わると、その場から立ち去ることも。アゴが上がってスタミナをロスする癖があるが、林監督から「腕を下げて、おなかを使って走るように」と助言を受けると、1日1000回とも、1500回とも言われる腹筋トレーニングに明け暮れた。腹筋はバキバキに割れ、いつしか彼女は「腹筋女王」と呼ばれるようになった。

 そのルーツを、松田は「家系だと思う」と分析する。大阪薫英女学院高2年時、松田は足を痛めて全国高校総体で振るわず、安田功監督は夏合宿で回復に専念させようとした。だが、しんきゅう師の母・明美さんから「練習をやらせてほしい。壁は乗り越えて強くなれる」と連絡がきた。安田監督は「そんなこと言われたのは初めて」と驚いたという。松田はその合宿で走らなかったが、約10日間で3キロやせるほど、汗だくになりながら腹筋など補強運動やウオーキングを続けた。その結果、冬の全国高校駅伝2区で区間賞を獲得し、全国区の選手に飛躍した。

 16年日本選手権は1万メートルで4位に終わり、3枠のリオデジャネイロ五輪をあと一歩で逃した。その悔しさを糧に、17年世界選手権で長距離代表になり、18年の大阪国際女子マラソンは初マラソン優勝でMGC出場権を一発でつかみ取った。

 宮崎市内での取材時、松田はいつもの関西弁でこうも言った。「私、強く見せているだけですもん。実はめっちゃ弱いですよ」。強くなるにつれ、企業を背負う責任や注目度の高さに押しつぶされそうになるという。「でも、スタートラインに立ったら誰にも負けへんという気持ちになるんです」。弱さを上回る究極の負けず嫌い。だから、松田瑞生は速く、強い。【新井隆一】

松田瑞生
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