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札幌市長「正式決定まだ」 五輪マラソン、ドーム活用など課題山積

五輪マラソン開催が見込まれる札幌の市街地

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 東京五輪のマラソン・競歩競技の札幌開催が濃厚とみられる中、札幌市の秋元克広市長は21日の記者会見で、18日に組織委員会に文書で札幌開催を問い合わせたところ、「正式には決定していない。30日の調整委員会で議論される」との回答があったとを明かした。一方、市は17日に北海道などと実務者連絡会議を設置。開催を念頭に事前調査を始めたが、コース設定の難しさやIOCが発着地に提案する札幌ドームの活用法など課題は山積。関係者には不安も広がる。【土谷純一】

 1987年から開催されている北海道マラソンは、国際陸上競技連盟公認で夏場の8月に開催されているフルマラソン。市と道は実務者連絡会議で、北海道マラソンのノウハウを必要に応じて組織委に提供する考えを示した。しかし仮に札幌ドームを発着地とした場合、北海道マラソンのコースとの高低差の問題が浮上する。

 札幌ドームの標高は約68メートルで、北海道マラソンでも通過する中央区の大通公園や札幌市時計台周辺の標高は約20メートル。ドームと約48メートルの標高差となり、北海道マラソンコース全体の高低差37メートルを大幅に超え、上り下りの激しいコースになってしまう。

 豊平区にあるドームから、北海道マラソンの主なコースである手稲区や北区に向かおうとすると、さらに高低差が生じてタイムが伸びづらい。

 発着地を同じドームとすることはルール上問題はないが、ドーム前を通る国道36号は勾配がきつく、ゴール目前で上りの急勾配があるとタイムが落ちることが考えられる。

 北海道陸上競技協会の橋本秀樹専務理事は「国道36号は勾配が激しい。もしドームを発着地にできたとしても、一度も経験がないコースは簡単には使えず、それを五輪の舞台でやるのは正直言って不安がある」と話した。

 2001年にオープンした札幌ドームの特徴は、人工芝による野球と天然芝によるサッカー、この2競技の両立を可能とした世界初の芝転換システム。通常時は天然芝のサッカー場を屋外で養生し、サッカーの試合が行われる度、空気圧で浮上させたサッカーステージをドーム内に引き入れて使用する。

 07年にはノルディックスキー世界選手権、08、10年には世界ラリー選手権のカーレースなど、バラエティー豊かなイベントが開かれてきた。コンサート、展示会なども合わせて18年度は125日間イベントが開催された。

 ただ、市スポーツ局によると、ドーム内を周回するリレーマラソンなどはこれまでに実施しているが、陸上トラックとして運用したことは一度もなく、市スポーツ局は「競技場として使えるかどうかまだわからない」と話す。競技のスタート地点としては道幅が狭い点や、北海道マラソンのコースを生かしづらいなどの課題もある。

 もっとも東京でマラソン・競歩を行う場合の発着点とされてきた新国立競技場に匹敵する施設は、札幌ではドーム以外にない。新国立競技場の収容人数が約6万8000人なのに対し、ドームは約5万4000人。21日の会見で、秋元市長は「時間が限られるため、新たに施設を建てることはない」と話した。

 また、競技スタート直後は選手たちが固まっているため、ある程度の道幅がスタート地点には必要になる。ドーム出入り口の道幅は非常に狭く、道内で唯一マラソンコース計測員の国際資格を持つ、さっぽろ健康スポーツ財団の大聖陽平さん(38)は「一度に多くの人がスタートを切るマラソン競技では、道幅が狭いとスピードが出せず、接触などの危険もある」と指摘した。

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