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東京へ ともに歩む

毎日新聞

相手とボールを奪い合う鳥海連志(左)=インドネシア・ジャカルタで、久保玲撮影

パラアスリート交差点

車いすバスケ・鳥海連志「やってみる」 本番でメダル取ると宣言する

 先日、味の素ナショナルトレーニングセンター(NTC)の隣にできたNTC拡充棟「NTCイースト」で、日本代表の合宿がありました。これまでよりもパラリンピック競技の選手に配慮された施設だということで、楽しみにしていました。

     食事や宿泊の場所も1カ所に集まって練習に集中できる環境で、素晴らしいと感じました。これまでは合宿の場所によっては車やバスで宿舎に移動する必要がありました。その場合、栄養を摂取するタイミングが遅れたり、可能性は低いですが交通事故に遭ったりするリスクがありました。練習場所と宿舎が隣接していることのありがたみを実感しました。

     さらに、NTCイーストには、パラスポーツの他競技の選手や五輪を目指す選手もいます。車いすバスケットボールのチームだけで合宿していると、なかなかこうした場面には遭遇しません。練習に集中していたこともあり、じっくり話をする機会はありませんでしたが、他競技の選手とすれ違ってあいさつをするだけでも、身が引き締まります。NTCイーストは、モチベーションを維持できる場だと感じました。

     施設のバリアフリーも行き届いていました。以前の宿舎は車いすでの利用に対応していないところもあり、浴室やトイレで苦労する選手がいました。NTCイーストは、過ごしやすい環境だと思います。東京パラリンピック開催決定を契機に、いろいろな方々にパラスポーツを知っていただく機会が増えました。このような施設も使えるようになり、社会全体がすごくフラット(平ら)になってきたと実感しています。

     そんな僕らが今、目前に控えているのは東京パラリンピック予選を兼ねたアジア・オセアニア選手権(29日~12月7日、タイ・パタヤ)です。男子は14カ国・地域が出場し、パラリンピック切符を争います。日本には開催国枠がありますが、僕らはこの大会で負けるつもりはありません。

     しっかりと優勝し、東京パラリンピックで、本気でメダルを取ると宣言できる大会にしたいと思います。日本というチームをアピールする場にもなりますし、世界の中での日本の位置を知る意味でも重要な大会です。

     4年前の大会は千葉で開催されました。試合会場は、いつも練習している千葉ポートアリーナ。お客さんがたくさん来て、運営に関わってくれる人も含め、ホームで試合をしているという感覚が強かったです。ライバルは韓国でした。日本が韓国に敗れてきた歴史を先輩たちから聞いており、チーム全体の熱量も非常に高かった。その中で、韓国には勝てましたが、中国には負けるなど、ちぐはぐな面もありました。

     当時はあまり意識していませんでしたが、ホームでの応援などがプラスになった面はあると思います。今回はタイでの開催で、前回の経験を生かし、さまざまな状況で的確な判断をできるようになりたいと思います。

    ラグビー・ワールドカップで日本が8強入りしましたが、どのように感じましたか。

     一言で表現すれば、尊敬します。簡単なことではなく、単純にすごいと思います。一朝一夕で成し遂げられることではなく、関わったスタッフの方も含めてどれだけの鍛錬を積んだのか、計り知れません。ルールをよく知らないファンもいたと思いますが、選手たちの思いや熱量を感じて、この盛り上がりが作られたのだと思います。

     最近はバスケットボールや陸上、バドミントンなどいろいろな競技で、日本選手が世界で通用することを示しています。東京パラリンピックでは、僕らが車いすバスケで証明したいと思います。

    ちょうかい・れんし

     長崎市出身。手や脚に先天性の障害があり、3歳で両膝下を切断。中学1年で車いすバスケットボールを始め、高校1年で日本代表入りした。2016年リオデジャネイロ・パラリンピック代表。17年のU23(23歳以下)世界選手権でベスト5(優秀選手)に選ばれた。WOWOW所属。20歳。