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毎日新聞

国立競技場の建設現場で、女性も安心して働きやすい環境整備を推進した神宮小町チーム=2017年9月6日、大成建設提供

Together

ドボジョ200人 建設支えた女性チーム「神宮小町」 国立競技場ものがたり㊤

 一枚の写真がある。国立競技場の建設現場で2017年9月6日朝、ヘルメットに作業着姿の女性が重機の前に並んだ。地上工事も始まり、ピンク色のベルトや赤い作業靴の人もいる。右端で片膝をつき、白い歯を見せるのは新国立整備事業副所長の広作利香さん(48)。女性が働きやすい環境を整備する「神宮小町」と呼ばれるチームを率いた。施工管理、測量、重機操作。下請けも合わせるとピーク時、技能者や技術者ら約200人の女性が働いた。男ばかりだった建設現場の風景が変わった。

 広作さんは小学5年の時、家族で東京・白金台の東京都庭園美術館を訪れた。建物と館内装飾の調和に少女の心は躍った。「こんなふうに感動させる建物を作りたい」。建築の道を志した。日大理工学部で建築学を学ぶと、1995年に大成建設入社。当時の女性社員はほとんどが事務職だった。「図面を形にしていく日々の段取りをする仕事」という施工管理の女性は1人で、現場に行くと大工ら職人は男性ばかり。工事の安全・品質を管理し、職人が働きやすい環境を作る立場だが、「女になんかつとまるわけないだろ」。冷たい言葉を何度も浴びた。

 29歳で結婚し、仕事と家事を両立させてきた。「女だから続けられなかったと言われたくない」。仕事がうまくいかず「辞めたい」と思うこともあったが、そのたびに自分の後に続く女性たちの姿が脳裏に浮かんだ。「ここで負けたら、若い子に悪いと思って」。苦手な相手にも自分から話しかけ、笑顔で職人たちの心を解きほぐしてきた。

女性チーム活躍 タブレットの中には……

 その人柄も評価され、六本木や神田、大崎など東京都心の建設現場を任された。そして16年6月、大きなチャンスが巡ってくる。当時担当していた現場の所長に呼ばれ、「次は新国立(競技場)の現場だよ。どうす…

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