メインメニューをとばして、このページの本文エリアへ

幸せな老後への一歩

/657 新型コロナと100年前のスペイン風邪=荻原博子

経済ジャーナリスト・荻原博子さん

 新型コロナウイルスの感染が拡大し、ついに日本で死者が出ました。

 実は、5月に出版する本を書くため、大正時代の〝スペイン風邪〟と関東大震災について、さまざまな文献を読んでいたところでした。

 スペイン風邪とは、1918(大正7)~19年にかけて、世界中で約5億人が感染するという大流行を巻き起こしたインフルエンザ。当時、世界の人口は約16億人だったので、なんと人類の3分の1が感染したことになります。

 しかも、死者は5000万~1億人といわれています。致死率は10〜20%と高いのです。

 第一次世界大戦による死者は約1600万人、第二次世界大戦による死者は5000万~8000万人。スペイン風邪は大戦争をはるかに上回る犠牲者を出したというからすさまじい。日本では39万人が死亡したそうです。

 当時の内務省衛生局は19年1月、大衆向けに「流行性感冒予防(はやりかぜよぼう)心得(こゝろゑ)」を出しました。〈咳(せき)や嚏(くしゃみ)をすると眼(め)にも見えない程微細(こまか)な泡沫(とばしり)が三、四尺周囲(まわり)に吹き飛ばされ夫(そ)れを吸ひ込んだ者は此病(このやまひ)に罹(かゝ)る〉と説明し、予防法を記しています。〈病人又(また)は病人らしい者、咳する者には近寄つてはならぬ〉〈沢山(たくさん)人の集つて居(い)る所に立ち入るな〉〈鼻、口、を「ハンケチ」手拭(てぬぐひ)などで軽く被(おほ)ひなさい〉

 予防法は100年前も今も大して変わらないことに驚きます。

 実は、パンデミック(世界的な流行)は、ほぼ100年ごとに起きています。しかも、再発するたびに社会的な変革も起きています。

 ヨーロッパでは…

この記事は有料記事です。

残り793文字(全文1494文字)

サンデー毎日

サンデー毎日は毎日新聞出版から毎週火曜日に発行されている週刊誌。1922年に日本で初めての総合週刊誌として創刊されました。

おすすめ記事
広告
毎日新聞のアカウント
ピックアップ
話題の記事

アクセスランキング

毎時01分更新

  1. 二階氏、接触8割減「できるわけない」 首相発言で指摘 新型コロナ

  2. 警視庁 留置されている男が感染 新型コロナ

  3. 波紋呼ぶ「軽症者に日本財団9000床提供」 つくば市「寝耳に水」「住民の合意は…」

  4. 「さすがメルケル首相」新型コロナ対応で人気復活 世論調査満足度も64%

  5. 感染者全国5番目、死者は東京に次ぐ2番目 なのになぜ愛知は「宣言」対象外?

のマークについて

今週のおすすめ
毎日新聞社は、東京2020大会のオフィシャルパートナーです