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コロナ禍提言! 地方自治体への交付金給付を急げ 「生活者目線」欠く安倍経済政策=ジャーナリスト・鈴木哲夫

日経平均株価やニューヨーク株式市場のダウ平均終値などを示すボード=東京・八重洲で2020年3月16日午後

 コロナ禍に立ち向かうための経済政策が取り沙汰されている。安倍晋三首相、黒田東彦日銀総裁のアベノミクスコンビの対策は、厳しい経済状況を改善させられるのか。地方の中小企業や生活者の目線で本当に必要な経済対策を、ジャーナリストが提言する。

 もちろんやらなきゃダメだ。だが何をやるのか、本当に有効か――。安倍政権の経済対策は、「生活者」や「中小企業」の視点が欠如してはいないか。

 3月10日に打ち出した経済対策の第2弾は、2020年度の予備費2715億円を活用するもの。学校の休校に伴い、仕事を休まざるを得なくなった保護者に正規・非正規を問わず有給休暇を取得させた企業への助成金として日額上限8330円を支給。中小企業などに対しては、資金繰り支援のため、日本政策金融公庫等を通じて融資し、無利子・無担保など総額で1兆6000億円規模に拡大するなど対策メニューが並んだのだが……。

 横浜市の教育委員会幹部はこう話した。

「休校の混乱は少し落ち着きましたが、保護者や学校側、(給食など)関連業者、卒業式や学童保育のやり方も全部自助努力です。共働きの場合、子供が在宅で、食費など生活費がさらにかかることもある」

 そして、政権の危機管理を問う。「安倍首相は休校を決めてから初めて、共働きの家庭や、子供の食事として給食を頼りにしている家庭など、生活者のことに気づいたんじゃないでしょうか。分かっていたなら、休校と同時にそうした部分への対策も発表したはずです」

 また、九州の中堅広告代理店代表は言う。

「倒産したり、その手前まで来ている中小企業はヤマほどあります。いまさら融資と言ったってもう遅い。イベント自粛の要請についても、50人規模の小さなイベントでかろうじてやっている事業者やスポンサーはアウトです」

 そんななかで、安倍首相は新年度に向け第3弾の緊急経済対策を予告している。「いままでのものとは質が違う」(国会答弁)と強調するが、内容は、感染での損失補塡(ほてん)だけでなく、最悪の状態に陥りつつある経済への対策も含まれる。

 内容は、子育て世帯への現金支給、キャッシュレス決済のポイント還元の延長・引き上げ、さらに、中小企業については固定資産税の減税、中国で生産している製造業の拠点移動の支援などが内容だ。

 現金給付などは損失の穴埋めに一定の効果はあるだろう。ただ、限られた金額ではむしろ貯金に回る可能性が高く、景気対策としては限定的だろう。

 そして、「ウルトラC」(自民党幹部)として、期間限定での消費税減税、ゼロの可能性も囁(ささや)かれる。これは、自民党の若手議員有志が3月11日に政府に提言。消費喚起のための措置だが、安倍首相は、自民党税制調査会長で側近の甘利明氏と協議し、14日の記者会見でも「提言も踏まえながら、十分な政策を間髪入れずに講じていきたい」と、思わせぶりな発言をした。

 しかし、果たしてどれほどの効果があるのか。民間シンクタンクや財務省OB、野党幹部らを取材した結論はやはり、「派手なパフォーマンスであり、効果は限定的」だ。

 消費税を下げれば、家や車など大きな買い物をする人たちは、ゼロのうちにと思い切るかもしれないが、果たしていまそんな消費マインドが世の中に存在するのか。生活者は消費税ゼロといってもそもそも外に出歩いてお金を使わない。小売りも外食にも効果はなし。期限が過ぎて税率が戻れば消費はピタリと止まる。さらに、国民に約束していた社会保障財源はどうするのかという問題もある。

 こうした中、有効な経済対策とは何か。私は三つ挙げたい。

 一つは、「情報公開」。綿密な分析によって、「感染の見通し、収束や落ち着いていく今後の曲線」などを常に細かく発信すること。それを指針に、生活者や中小企業は頑張れる。

 二つ目は、減税でも消費税ではなく、…

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