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倉重篤郎のニュース最前線

次期首相候補No.1 石破茂が安倍首相に緊急直言 新型コロナ対応 リーダーとしての説得力がない

衆院本会議で代表質問を聞く石破茂自民党元幹事長=国会内で2020年1月22日、川田雅浩撮影

 コロナ対応で、安倍首相の言葉と行動には信頼感が持てない。危機には指導者の政治力量が問われるが、現政権の失策は社会不安を増すばかりだ。ポスト安倍№1石破茂氏が、2年前に今日を予見していた公衆衛生学の報告書を携えて登場、非常事態下の「国民のための政治」を語り尽くす。

 ネットを開く。

 新型コロナウイルスの世界蔓延(まんえん)状況をチェックする。ウェブの中ではジョンズ・ホプキンズ大のサイトが優秀だ。世界各国の感染者数が多い順に分単位で更新され、そのデータが世界地図に赤丸で打ち込まれていく。欧米が日を追って真っ赤に染まっていく。4日午前7時時点では、全世界での感染者総数が109万4000人、死者総数は5万8000人。南米、アフリカ大陸でも点が次第に増え、広がっていくのが一目瞭然だ。

 公衆衛生学では歴史の古い同大学が、2年前の2018年5月、今回のコロナ禍をほぼ正確に予言、警告する報告書を発表していたのを最近まで知らなかった。

 報告書は、文献調査と120人以上の専門家への聴取をもとに作成されたものだが、「地球規模の破滅的な生物学的リスク」という表現を使い、高感染力、低致死率、呼吸器系疾患で、かつ「潜伏期間中に感染する能力と軽い症状がさらなる蔓延を増加させる」特徴を持つパンデミックの発生を予告、それが人類に対し「巨大な苦痛をもたらし、人命を失わせ、各国政府と国際関係、経済、社会的安定性、世界の安全保障に持続的なダメージを与え続けるだろう」と警告している。

 新型コロナウイルスの恐ろしさを的確に言い当てている。致死率が低いゆえに警戒心を起こさせず、人々を油断させる。ただ、感染力の強さによって、潜伏期間中の人々や多数の軽症状者たちがあたかもステルス(見えない)兵器と化し、無防備な大衆に対し、唾や接触という銃弾を無自覚、無差別、無制限にバラ撒(ま)き、爆発的感染の引き金を引く。そして、この幾何級数的な感染者増が医療体制を崩壊させ、確率論的にウイルス変異の可能性を高め、悪性化させる。これこそ、今欧米で起きていることであり、これから日本に起こりうることではないか。

 この予知能力恐るべし、である。報告書の存在を教えてくれたのは石破茂元自民党幹事長だ。彼もまた防衛医大関係者から読んでみろ、と勧められたという。

 この稿では、その石破氏と、人類に突き付けられたこの「破滅的リスク」に際し政治が何をなすべきかを議論したい。というのも、この問題こそ、思い切った決断力、国民に対する説明力、国際社会との協調力、という国の指導者の政治的力量を鋭く問うものだからだ。安倍晋三政権は力量の発露が見られない。それどころか、クルーズ船内での感染拡大、PCR検査の遅れ、休校措置のブレなど失点が目立つ。何よりも首相の国民に対する呼びかけにリーダーとしての説得力がないと私には見える。

 では、石破氏(が首相)ならどうしたのか? あえて聞こう。世論調査でポスト安倍筆頭の座にある氏に問う価値は十分にある。

 ジョンズ・ホプキンズ大の報告書、どう読んだ?

「2年前に書かれたということ自体驚くほかない。今後の新型ウイルスについて『自覚症状がないため、感染していることに気付かないまま街中を歩き、ウイルスを拡散させる』『宿主である感染者が死亡すればその体内でウイルスも生存できないが、死亡しなければ生き続ける』ことになり『全世界の社会経済的な危機に直結しうる』と予言した。まさに今起きていることだ。人類の歴史を大きく変えることになるかもしれない、との衝撃を受けた」

 スペイン風邪にも酷似?

「1918年春にカンザス州・米陸軍兵舎で発生したスペイン風邪は、日本では同年5月に台湾巡業から帰った力士と、第一次世界大戦で従軍…

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