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倉重篤郎のニュース最前線

日本の奇跡は完全な虚構だ! 山梨大学長・島田眞路が怒りの告発

緊急事態宣言を全国に拡大して全国民に1人当たり10万円を一律給付することなどについての記者会見で質問に答える基本的対処方針等諮問委員会の尾身茂会長(左)と安倍晋三首相=首相官邸で2020年4月17日、竹内幹撮影

 クラスター対策に終始してきた日本の特殊なコロナ対応を、安倍首相は「日本モデルの力」と自賛した。だが果たして本当にそうか。PCR検査抑制策を、感染者数を低く見積もる「日本の恥」と喝破する島田眞路山梨大学長が、感染実態が隠ぺいされた危機的状況を告発する。

 二つの政局が気になる。ポスト安倍(晋三首相)後継レースと7月5日投開票の都知事選だ。

 前者は、政権支持率の急落が顕著だ。新型コロナウイルスへの一連の後手対応と、アベノマスク、在宅パフォーマンスの失態に、検察官定年延長問題の無様(ぶざま)な結末が重なった。従来の安倍支持層にまで、離反現象を生んでいる。底流には、森友・加計(かけ)、「桜を見る会」で積もり積もった安倍不信がある。

 政局運営にも陰りが出てきた。検察庁法改正のみならず、種苗法改正、国民投票法改正など主要法案が軒並み先送りされ、政権が一時その気になった9月入学も露と消えた。政権中枢内の足並みの乱れが公然と語られるようになった。いわゆる政権末期現象である。抑え込まれていた安倍批判が噴き出す可能性もある。

 遅くとも秋の人事後はポスト安倍一色となろう。石破茂、岸田文雄、野田聖子、河野太郎、茂木(もてぎ)敏充の各氏らが続々と名乗りをあげるだろう。野党も再び一本化に向けて動き出す。政策的に鍵を握るのは、「米中冷戦」という新条件下での外交・安全保障政策の練り直しとアベノミクスに代わる包括的な経済政策となる。

 都知事選では、一冊のノンフィクション本に注目する。『女帝 小池百合子』(石井妙子著、2020年5月 文藝春秋)である。気鋭のライターが3年半にわたる取材で、小池氏が公言してきた「カイロ大学卒業」「しかも首席で卒業」という最終学歴の虚構性を告発した。小池氏のカイロ時代の同居者の証言が軸だが、具体的、かつ詳細で十分信用に値する、との心証だ。

 小池氏の学歴問題は、何度も疑義が出され、そのたびに小池氏側が卒業証書的なものを示すことでそれ以上の追及のないまま現在に至っている。今回は選挙戦を戦う上で通常以上に厳しいチェックと説明責任が要求される。小池氏がそれに耐えられるかどうか。これまた政局の火種になろう。

 ここでコロナに話を巻き戻す。今回登場願うのは島田眞路・山梨大学長だ。

 読者は島田学長のことをお聞き及びか。医学部と付属病院を有する地方国立大学として、どこよりも早くコロナ対応に取り組み、率先垂範で学内・医療体制を整備、PCR検査のためのドライブスルーを大学構内に設けるなど、先取、果断、異色の大学人である。PCR検査不足を日本の「恥」と言い切り、それを各国並みに引き上げるため、大学の検査余力を全開すべく、各大学に「蜂起」を呼びかけた話題の人でもある。

 コロナ、いつ危機感を?

「1月25日のことだ。中国・武漢の様子を伝えるニュースを見て目を疑った。1000床の専門病院を2棟、10日余りで建設する、という。医療関係者は個人防護具をフルに着用して患者に接している。日本も直ちに準備を進めないと大変なことになると直観した」

 27日、学内で初対策会議。

「病院長をはじめ感染制御、医療安全のメンバーを集め、感染拡大に備えて院内の体制整備を進めていくことを申し合わせた」

 山梨大病院は、感染症指定医療機関ではなかった。

「国立大学病院としては山梨県の医療における最後の砦(とりで)だ。指定、非指定を超えて対応すべき問題だと考えた。山梨大病院独自のメリットもあった。2015年に新病棟に移転した際の旧病棟(約300床)がまだ取り崩さずに空いており、万一の場合にはこの病棟も活用できるよう医療ガスやナースコールなどの休止設備の立ち上げ準備も指示した」

 1月になぜそこまで?

「02〜03年のSARS(重症急性呼吸器症候群)の体験が…

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