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2050年のメディア

文藝春秋で長くノンフィクションの編集者を務めた下山進氏が「2050年のメディア」を展望します。

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第15回 プロの選球眼かクラウド査読か? 岐路にたつ科学ジャーナル=下山進

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科学ジャーナルは、その雑誌に掲載される論文の頻度で、インパクトファクター(IF)という指標がある。研究者はインパクトファクターのできるだけ高い雑誌に投稿しようとする。今回論文が取り消された「ランセット」はIFが40以上ある名門だった。
科学ジャーナルは、その雑誌に掲載される論文の頻度で、インパクトファクター(IF)という指標がある。研究者はインパクトファクターのできるだけ高い雑誌に投稿しようとする。今回論文が取り消された「ランセット」はIFが40以上ある名門だった。

 <Susumu Shimoyama “MEDIA IN 2050”>

 私が今、取材をしている次の単行本『アルツハイマー征服』で会った研究者の中には、あるアルツハイマー病の遺伝子を発見してから、論文が科学ジャーナルに掲載されるまで6年かかった研究者がいた。その研究者は、「研究を始めて10年目にしてようやく一本論文が通った、これで首がつながったと、心底ほっとした」と語ったものだった。

『ニューイングランド・ジャーナル・オブ・メディスン』や『ネイチャー』『ランセット』といった科学ジャーナルについて、一度は名前を聞いたという人も多いだろう。

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