連載

2050年のメディア

文藝春秋で長くノンフィクションの編集者を務めた下山進氏が「2050年のメディア」を展望します。

連載一覧

2050年のメディア

第21回 「ナタの大久保」 日本テレビV字回復の秘密=下山進

  • ブックマーク
  • 保存
  • メール
  • 印刷

 <Susumu Shimoyama “MEDIA IN 2050”>

「紙」から「インターネット」への流れは止めようもない。では「放送」から「インターネット」への動きはどうだろうか?

 NHKの回(第18回)やradikoの回(第19回)でテレビが依然圧倒的に地上波に支配されていることについて触れた。現在、電波塔からの電波を個別受信機のテレビ受像機で受け取って放送されているテレビ番組は、インターネットでも放映できる。スイスのように地上波を停波しテレビ局が完全にインターネットに移行した国もある。

 日本の場合、それが難しい理由のひとつにローカル局の経営問題がある。ローカル局の自主制作率は平均で10%以下。あとはキー局や準キー局の番組を流している。これが、ネットで日本全国どこでもキー局の番組が見ることができるようになってしまえば、とたんに経営に行き詰まる。そして、ローカル局は、日本テレビ系列であれば、読売新聞社と日本テレビおよび日本テレビ小鳩文化事業団などがしっかり株をおさえている。

この記事は有料記事です。

残り1844文字(全文2288文字)

あわせて読みたい

マイページでフォローする

この記事の特集・連載
すべて見る

スポニチのアクセスランキング

現在
昨日
1カ月