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安倍9月退陣説の全真相 コロナ放り投げ 三つのシナリオ 〝後継〟は悪夢の「麻生」か鉄仮面「菅」か

慶応大病院に入る安倍晋三首相(奥)=東京都新宿区で2020年8月24日午前9時55分、小川昌宏撮影

 永田町が風雲急を告げている。コロナ禍対策でことごとくダメ出しを食らってきた安倍晋三首相。憲政史上最長となる連続首相在職期間を達成目前で、まさかの体調不良が明らかになり、9月退陣説がささやかれる。果たして、その真相は? ポスト安倍の行方は――。

 お盆休み明けの8月17日、永田町は騒然となった。午前10時半ごろ、安倍晋三首相が東京・富ケ谷の自宅から新宿区信濃町の慶應大病院に入ったからだ。首相周辺は「体調管理に万全を期すため、日帰り検診を受けた」と説明した。事実、安倍首相は午後6時過ぎに帰宅した。ただ、病院滞在は7時間半にも及んだ。

 安倍首相は毎年、同病院で人間ドックを受けている。だが、今年は6月13日に受診したばかり。わずか2カ月後の〝追加検診〟に「健康不安による退陣の可能性が出てきた」とメディア関係者は色めきたった。

 自民党関係者は語る。

「持病の潰瘍性大腸炎が悪化してGCAPを受け、がん検査も受けたそうです」

 GCAPとは顆粒球(かりゅうきゅう)吸着療法という。炎症が発生する原因になっている顆粒球(白血球のうち骨髄系の細胞の一つ)を除去して災症を抑える、潰瘍性大腸炎の治療法の一つだ。ただ、がん検査もしたというから、ただ事ではない。

 振り返れば、新型コロナウイルスの感染拡大で〝ニッポン丸船長〟安倍首相の舵(かじ)取りは、批判を受け続けた。全国の公立小中高校の一斉休校しかり、政府が配布した小さめの布マスクこと通称「アベノマスク」しかり、GoToトラベルキャンペーンしかり――。

 内閣支持率も下落傾向にある。NHKが8月8〜10日に実施した世論調査では、内閣支持率が前月比2㌽減の34%、不支持率は同2㌽増の47%だった。時事通信が同7〜10日に行った世論調査も前月比2・4㌽減の32・7%、不支持率は同2㌽増の48・2%だった。政権維持の「危険水域」と言われる30%割れ目前で推移しているのだ。

 何をやっても批判を招き、休むいとまもない。安倍首相にとってストレス発散の〝妙薬〟であるゴルフも封じられ、気分転換もままならない状態が続いているのだ。ストレスが最大の敵と指摘される潰瘍性大腸炎が悪化していることは想像に難くない。

 さらに7月6日夕に安倍首相は一時的に意識混濁状態に陥ったという。写真週刊誌『フラッシュ』8月18・25日合併号が報じた「安倍晋三首相 永田町を奔(はし)る〝7月6日吐血〟情報」だ。

「潰瘍性大腸炎の場合、血便はあっても吐血はない。つまり、別の病気の可能性がある」(官邸関係者)

 となると、お盆明けのがん検査もつじつまは合う。

 安倍首相は休むことなく執務を続けた。健康不安は改善することなく時間だけが過ぎた。8月1日、アベノマスクの着用をやめ、大きめのマスクを着用。その理由を「市場のマスク供給量が回復し、通常の流通で確保できる状態になった」からだと説明した。しかし、先の官邸関係者は明かす。

「顔色が悪く、頰が痩せこけたことをカムフラージュするため」

 さらに首相周辺は語る。「日比紀文(ひびとしふみ)医師(北里大北里研究所病院炎症性腸疾患先進治療センター長)が、診察に当たっています」

 日比氏は元慶應大医学部内科学(消化器)教授で、以前から安倍首相の主治医を務め持病の潰瘍性大腸炎の治療などに当たっていた。慶應大を定年後、北里大に移ったが、体調に応じて安倍首相を裏から支える医師団の〝応援〟に入るケースが、しばしばだという。

 今回の日帰り検診も当初は、日比氏ら医師団の判断から1週間の入院、状況次第では月内予定だった計画が急きょ、変更になった。

 政治ジャーナリストの角谷(かくたに)浩一氏は語る。

「1週間もの入院は政局になりかねない。無理をしてでも日帰りに変更したと、首相周辺は明かしています」

 権力への執着は今も〝健在〟ということなのか。しかし、安倍首相の〝異変〟は持病の悪化や新たな病気の疑いにとどまらない。

「どうやら首相は〝やる気〟を失いつつあるようだ」

 8月初め、自民党・志公会幹部であるベテラン衆院議員は顔を曇らせ、こう明かした。志公会は、麻生太郎副総理兼財務相が会長を務める派閥だ。

 第2次政権で安倍首相は、健康不安がささやかれることはあった。だが、気力の減退が語られるのは初めてと言っていい。安倍首相の盟友とされる麻生氏が、首相の言動から感じ取ったものかもしれない。

 裏付けるかのように8月中旬、安倍首相は周辺に電話をかけ、「外交もうまくいかないし、気力も湧かない」と漏らしたという。

 政治ジャーナリストの野上忠興氏は語る。

「心身ともに疲弊しきっていた安倍首相の様子を見て、官邸幹部は『この夏を乗り切れるかどうかだ』と明かしていた。それほど、体調が厳しい状況に陥っているということだと思います」

 安倍首相の連続在職日数は8月24日、大叔父・佐藤栄作元首相が持っていた最長記録を塗り替え、2799日となる。第1次政権時も含めた通算記録は昨年、桂太郎の記録を抜いて憲政史上最長となっている。かねて〝連続記録〟の達成に意欲を示していた安倍首相。ただ、その更新後はどうなるか分からない。

 そこで、にわかにウワサされているのが安倍首相の「9月退陣説」だ。病状が悪化し、ドクターストップがかかり、緊急入院すれば、陣頭指揮は執れなくなる。その場合、自動的に麻生氏が首相臨時代理となる。麻生氏が内閣法9条で〈内閣総理大臣に事故のあるとき、又は内閣総理大臣が欠けたときは、その予め指定する国務大臣が、臨時に、内閣総理大臣の職務を行う〉と定める臨時代理とされているためだ。

 野上氏は続ける。

「日帰り検診の2日前の15日、安倍首相は自宅に麻生氏を招き、約1時間会談しています。当初計画の1週間ないしは月内入院を前提に、国会やコロナ禍対応など〝不在期間〟の代行職務を託したと言われています。これは、万一のことも想定した後継含みと見ていい。安倍首相はこの春にも『私の後は麻生さんに任せたい』と漏らしていますし」

 常に自身を支え続けてくれた盟友として、安倍首相は麻生氏に恩義を感じ、いざという時の後任と思っているのだという。背景には、石破茂元幹事長には首相の座を渡したくないとの思いがあるという。

「仮に、安倍首相が辞職して正式に総裁選となれば、地方議員ら党員に人気のある石破氏が後継になる可能性もある。石破氏は党内の国会議員には不評ですが、来年10月までに必ずある次期衆院選を考えれば、どうなるか分からない。だから、継承権のある麻生氏にバトンを渡したいのです」(角谷氏)

「ポスト安倍」の最右翼は、麻生氏ということなのか。2008年9月、一度は首相の座に就いた麻生氏だが、当時は踏襲を「ふしゅう」、未曽有を「みぞうゆう」と読み間違い、失笑を買ったことは今なお記憶に新しい。読み間違いだけならまだしも、失言は枚挙にいとまがない。今年6月4日の参院財政金融委員会だ。日本の新型コロナの死者数が欧米諸国より少ないことについて、「国民の民度のレベルが違う」と答弁。後に釈明に追われた。

「悪夢の麻生政権だった。それをもう一度なんて、とんでもない。党内はガタガタになるだろう」

 閣僚経験者の自民党の衆院議員はため息をつく。だから、だろう。党内には閣内ナンバー2の菅義偉官房長官が「ポスト安倍に…

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