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校閲至極

/117 「ごんぎつね」の兵十、何と読む?

「暑さ寒さも彼岸まで」の言葉通り、朝晩涼しくなってきた今日このごろである。

 新美南吉の童話「ごんぎつね」はヒガンバナの描写が印象的な作品だ。ウナギを盗んだキツネのごんは、母を亡くした兵十(ひょうじゅう)にクリなどを運ぶが、撃たれて死んでしまう。悲しい結末を予感させるヒガンバナの赤が心に残る。

 その物語の舞台、愛知県半田市にある新美南吉記念館を訪れた。筆者は2年前の秋にも当欄でごんぎつねを取り上げている。出版社によってごんは「子ギツネ」「小ギツネ」と分かれているが、小学校の国語の教科書にも掲載されている作品であり、新聞記事での引用の際には選択に注意を払うべきではないかという内容だ。展示の充実は期待以上で、勢いのままに童話モチーフのグッズを大量購入し、レジの女性を驚かせてしまった。

 帰阪し、旅の興奮を周囲に伝えていて気づいた。兵十を「へいじゅう」と言う人がいるのだ。調べてみると、「こぎつね」問題と同様、「へいじゅう」のルビの異本もあり、教科書でその読みを採用していた時期があるようだ。現在は初出の雑誌に振られた「ひょうじゅう」が一般的になっている。「へい」採用の理由には、当時の小4での漢字学習に都合がいいということもあったのだろうか。しかしそれどころではない、全くの改変も教科…

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