ついさっき、『鬼滅(きめつ)の刃(やいば)』(吾峠呼世晴(ごとうげこよはる)・集英社)の最終巻を読み終えたばかりなのである。もう、原稿なんか書かずに、静かに泣かしておいてほしい……。ああ、でも、鬼より怖い締め切りには勝てません。
わたしはなんでも読むが、いちばん読んでいるのは、間違いなくマンガだ。4歳の頃から、マンガの月刊誌を定期購読してもらったし、史上初のマンガ週刊誌だった『少年サンデー』と『少年マガジン』は学校をサボって、自転車で買いに行った。もっとも読んでいた頃(1980年代)、計算してみたら、一年で百万頁(ページ)を超えていた。別に「盛っている」わけではない。毎日のようにコミックをまとめて買い、週刊も月刊もまともなマンガ雑誌はほとんど買って読んでいたので、それくらい当然なのである。
しかし、ここ何年か「異変」が起こるようになった。「超ヒット作」を読まなくなったのだ。読めば面白いに決まっているのに、なんだか、めんどうくさい。歳をとった証拠である。
この記事は有料記事です。
残り2326文字(全文2759文字)