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世代の昭和史

ノンフィクション作家の保阪正康氏の大型連載。現代史研究の第一人者が、世代論によって昭和史を見つめ直します。

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世代の昭和史

/31 学生運動が躍動する 中国革命と連携した東大新人会 軍人を押し返した早稲田=保阪正康

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作家の保阪正康さん=根岸基弘撮影
作家の保阪正康さん=根岸基弘撮影

 共通の歴史体験は世代を形成し、世代はまた相通じる歴史観を生み出していく。現代史研究の第一人者が世代論によって昭和史を見つめ直す注目連載。今回は、初期学生運動がどのようなタイプの学生たちに担われ、何を目指して闘われたか、東大新人会の個性的な活動家や早稲田大の反軍闘争を振り返りつつ、その情熱のありかを明らかにする。

 近代の学生運動は、昭和20(1945)年8月の太平洋戦争終結時までにどのような形で存在したのか、を見ていくと、基本的には社会を動かすような史実を見つけることはできない。学生数自体が少ない上に、ともかくも大学、専門学校で学べる者自体が少なかったからだ。加えて弾圧立法そのものが極めて暴力的で、それゆえに運動に入る者は、単に退学や停学を覚悟しながらというだけでなく、生命の危機すら覚悟して運動に挺身(て…

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