
100年を超えてなお、世代を超えて多くのファンを魅了する宝塚歌劇。関連するニュースをお届けします。
- ピックアップ
- 新着記事
- 基礎からわかる
-
「まさか」のトップ娘役就任 宙組・春乃さくらさんが胸に抱く言葉
2023/9/24 15:00 -
「もはやこれで…」元宝塚・杜けあきさんが名ぜりふに込めた思い
2023/9/8 11:00 -
杜けあきさんの男役愛「明日やれって言われても内蔵助ができる」
2023/9/7 11:00 -
月城かなとが自由になれる「翼」とは ストイックに貫く芝居心
2023/9/3 16:00 -
夢・華やかに
タカラヅカ 祖国統一へ 熱い思い 月組公演「フリューゲル-君がくれた翼-」 /兵庫
2023/8/31 05:07 -
「出てくるだけで」役の存在感 柚香光さんが心に留めること
2023/8/19 15:00 -
宝塚月組「フリューゲル」開幕 月城かなと率いる圧巻の世界観
2023/8/18 16:30 -
宝塚花組トップコンビが24年退団 柚香光さんと星風まどかさん
2023/8/15 17:57
美しいスターたちが、きらびやかな夢の世界をみせてくれる宝塚歌劇。なぜこれほど愛されるのでしょう。歴史や成り立ちを説明します。
個性豊かな5組が新しいことに挑戦

宝塚歌劇は大阪近郊の小さな温泉地で産声を上げました。阪急電鉄の前身会社が1914年4月1日、「宝塚新温泉」にあったプールを改造した劇場でスタートさせたのが始まりです。第1回公演は昔話の桃太郎を題材にした「ドンブラコ」など3本。19年には宝塚音楽歌劇学校(今の宝塚音楽学校)と、宝塚少女歌劇団(今の宝塚歌劇団)ができました。
第1回の公演では団員は約20人の小所帯でしたが、現在は花、月、雪、星、宙(そら)の5組と、ベテラン集団の専科に400人以上が所属しています。初めは「組」はありませんでしたが、人気が高まり、劇場を増やしたのをきっかけに、21年に花組と月組が誕生。雪組は24年、星組は33年にそれぞれ、宝塚大劇場と東京宝塚劇場の開場に備えてできました。宙組は東京でも通年で公演できるよう、98年に発足しました。
大劇場で主演するのはトップスターだけ

劇団員は宝塚音楽学校を卒業した未婚の女性で構成され、入団後も「生徒」と呼ばれます。「タカラジェンヌ」という通称もよく知られています。ファンの間では男性を演じる「男役」の人気が高いことが多く、女性を演じる生徒は「娘役」と呼ばれます。
各組の頂点に立つのが男役の「トップスター」で、相手役が「トップ娘役」。トップスターが本拠地の宝塚大劇場などでの公演では、常に主演を務めます。新型コロナウイルスの感染拡大前、トップスターが引退するサヨナラ公演の千秋楽には、別れを惜しむファンが数千人詰めかけていました。下級生の相談に乗るリーダー役の「組長」や「副組長」もいます。
5組で年間にこなす公演は、新型コロナ禍の前で900回以上。本拠地の宝塚大劇場と東京宝塚劇場の2劇場のほか、宝塚バウホールや外部の劇場でも公演があります。また「新人公演」も宝塚歌劇の大きな特徴です。約1カ月の大劇場公演中に、1日だけ、入団7年目までの劇団員だけで上演する公演で、若手たちにとってはトップスターへの登竜門になっています。
ベルばらにエリザベート…名作続々

宝塚歌劇は、これまでにさまざまな名作を生み出しています。特に有名なのが「ベルサイユのばら」でしょう。フランス革命を描いた池田理代子さんの人気漫画が原作で、74年に初演されると日本演劇史に残るヒットとなり、当時は社会現象にもなりました。アメリカ・南北戦争の頃が舞台の時代小説をテーマにした大作「風と共に去りぬ」も再演を重ねています。
またオーストリア・ハプスブルク帝国の皇妃、エリザベートの数奇な運命を描いたミュージカル「エリザベート」も、宝塚歌劇が96年、ウィーンのオリジナル版をアレンジして日本初演しました。オリジナル版と同様に男女で上演する東宝版も制作され、国内で再演を繰り返しています。
新型コロナ禍で演劇界全体が苦境に陥る中、インターネットテレビでのライブ配信などでファンをつなぎとめようと努力してきた宝塚歌劇。2024年の110周年に向け、さらなる飛躍が期待されます。
連載
新着記事
-
「まさか」のトップ娘役就任 宙組・春乃さくらさんが胸に抱く言葉
2023/9/24 15:00 1997文字本人も「まさか」と驚いたというトップ娘役就任。「大人っぽくて実力派」という舞台での印象とは違い、緊張した面持ちで取材に答える姿は初々しい。 宝塚歌劇宙組の春乃さくらさんが、トップスター・芹香斗亜さんとともに、本拠地・宝塚大劇場でのお披露目公演「PAGAD(パガド)」「Sky Fantasy!」に臨
-
「もはやこれで…」元宝塚・杜けあきさんが名ぜりふに込めた思い
2023/9/8 11:00 2917文字「もはやこれで思い残すことはござらん」 元宝塚歌劇団雪組トップスター、杜(もり)けあきさんが退団公演「忠臣蔵」でラストに発したせりふは、今もファンの記憶に深く刻まれる。 元々の台本になかったこの名ぜりふがどう生まれたのか。在団中の思い出とともに、退団後に演じた印象深い役、これからの思いを聞いた。<
-
杜けあきさんの男役愛「明日やれって言われても内蔵助ができる」
2023/9/7 11:00 2663文字「まだ観客の側で純粋に宝塚を楽しんで見られないんです。なぜなら明日やれって言われても内蔵助ができるから」 元宝塚歌劇団雪組トップスター、杜(もり)けあきさんの言葉に、変わらぬ男役愛を感じた。 内蔵助とは、30年前の退団公演「忠臣蔵」で演じた大石内蔵助のことだ。杜さんはこの作品と、映画スターを演じた
-
月城かなとが自由になれる「翼」とは ストイックに貫く芝居心
2023/9/3 16:00 2695文字その芝居心に、演出家の創作の翼も広がるのだろうか。 宝塚大劇場で上演中の月組公演「フリューゲル―君がくれた翼―」「万華鏡(ばんかきょう)百景色」。スターへのあて書きが定石の宝塚歌劇にあっても、トップスター・月城かなとさんが持ち味以上の存在感を見せている。舞台上での「ある瞬間」に、自由に羽ばたけるよ
-
夢・華やかに
タカラヅカ 祖国統一へ 熱い思い 月組公演「フリューゲル-君がくれた翼-」 /兵庫
2023/8/31 05:07 948文字◇激動の時代 ベルリンの壁崩壊 宝塚歌劇の月組公演「フリューゲル―君がくれた翼―」(斎藤吉正作・演出)が宝塚大劇場で上演されている。東西に分断された冷戦下のドイツが舞台のミュージカルで、トップスターの月城かなとが西ドイツ出身の東ドイツの軍人を演じる。ベルリンの壁崩壊へと向かう激動の時代に、人々が抱
-
-
「出てくるだけで」役の存在感 柚香光さんが心に留めること
2023/8/19 15:00 2193文字舞台に立つ、その姿だけで浮世離れした役の存在に説得力があるという。 宝塚歌劇団花組トップスターの柚香光(ゆずかれい)さんが宝塚大劇場で千秋楽を迎えたミュージカル「鴛鴦(おしどり)歌合戦」で、長屋暮らしの貧乏浪人を好演した。抑えた仕草やせりふで、余裕ある粋な男性を表現する役どころ。あることを心に留め
-
宝塚月組「フリューゲル」開幕 月城かなと率いる圧巻の世界観
2023/8/18 16:30 934文字宝塚歌劇月組公演の「フリューゲル―君がくれた翼―」「万華鏡(ばんかきょう)百景色」が18日、兵庫県宝塚市の宝塚大劇場で開幕した。冷戦下のドイツの人々を描いたハートウオーミングなミュージカルと、東京がテーマのレビュー。トップスター・月城かなと率いる月組が、芝居心豊かに世界観を作り上げている。9月24
-
宝塚花組トップコンビが24年退団 柚香光さんと星風まどかさん
2023/8/15 17:57 225文字宝塚歌劇団(兵庫県宝塚市)は15日、花組トップスターの柚香光(ゆずか・れい)さんとトップ娘役の星風まどかさんが2024年5月に退団すると発表した。東京宝塚劇場での「アルカンシェル パリに架かる虹」公演千秋楽が最後の舞台となる。 柚香さんは東京都出身。09年に初舞台を踏み、19年に花組トップに。華や
-
「笑いが世界を救う」 朝夏まなとさんが挑む“サラリーウーマン”
2023/8/13 16:00 2001文字「笑いが世界を救うんです」。キリッと言った後、はじけるような笑顔を見せた。 元宝塚歌劇団宙(そら)組トップスターで、俳優の朝夏(あさか)まなとさんが「ニッポンのサラリーウーマン」に挑む。退団後も数々の舞台で主演し、華やかなオーラをまとう朝夏さん。「日本人」かつ「会社員」で、コメディータッチというこ
-
夫の死、借金も乗り越え 奔走する敏腕牧場主は元タカラジェンヌ
2023/8/11 16:00 2937文字3億円もの借金を突如背負った。従業員も去った。だが、北海道の小さな競走馬生産牧場はわずか数年で飛躍を遂げた。不屈の精神はタカラヅカ時代に培われたという。そんな牧場主の激動の人生を追いかけた。 8月上旬、太平洋からの湿り気のある風を受けながら、約30ヘクタールの広大な牧場でサラブレッドの親子が駆けて
-
-
初セッションが楽しみ 明日海りおさんが意気込む「戦友」との舞台
2023/8/6 15:00 1392文字「初めてのセッションが本当に楽しみなんです」。少女の頃から同じ時間を過ごした「戦友」との共演に、キラキラと瞳を輝かせる。 元宝塚歌劇団花組トップスターの明日海(あすみ)りおさんが9月、芸歴20周年を記念したコンサート「ヴォイス・イン・ブルー」を開く。「思いがどんどん増しているような気がする」という
-
夢・華やかに
タカラヅカ モノの世界、鮮やかに再生 「鴛鴦歌合戦」 柚香光が貧乏浪人 /兵庫
2023/7/20 05:11 908文字宝塚歌劇花組公演の「鴛鴦(おしどり)歌合戦」(小柳奈穂子潤色・演出)が宝塚大劇場で上演されている。1939年に公開されたマキノ正博監督の時代劇オペレッタ映画を初の舞台化。往年の名優・片岡千恵蔵が演じた貧乏浪人をトップスター・柚香光(ゆずかれい)が好演し、モノクロ映画を色鮮やかによみがえらせた。8月
-
清く正しく美しく「110年」 宝塚音楽学校創立記念 大地真央さんらOG彩り /兵庫
2023/7/19 05:17 696文字タカラジェンヌを養成する、宝塚音楽学校(宝塚市武庫川町、中西達也校長)の創立110周年記念式典が18日、宝塚大劇場(同市)で開かれた。2024年4月に初演から110周年となる宝塚歌劇団に先んじ、一足先に節目を迎えた。今年は宝塚歌劇の生みの親・小林一三の生誕150年にもあたり、OGや関係者ら約200
-
大地真央さん「私の人生の学びや」 宝塚音楽学校110周年で式典
2023/7/18 18:26 871文字タカラジェンヌを養成する、宝塚音楽学校(兵庫県宝塚市武庫川町、中西達也校長)の創立110周年記念式典が18日、宝塚大劇場(同市)で開かれた。2024年4月に初演から110周年となる宝塚歌劇団に先んじ、一足先に節目を迎えた。今年は宝塚歌劇の生みの親・小林一三の生誕150年にもあたり、OGや関係者ら約
-
セカンドキャリアは「歌って踊れる社長」 元タカラジェンヌの覚悟
2023/7/17 14:00 1762文字「組織に流されていると、本当にやりたい『役』を考える時間がないまま人生が終わる」。世の会社員がドキッとする言葉を放つのは、元宝塚歌劇団花組の名バイプレーヤー、天真みちるさん。セカンドキャリアを体当たりで模索する日々をつづった著書が話題だ。退団後に勤めていた会社を辞め、今は「歌って踊れる社長」として
-
-
「ベルばら」公演で装置トラブル…どうする 紫苑ゆうが伝えたい心
2023/7/15 14:00 2799文字本番直前に舞台のセットが壊れた。かの人気作「ベルサイユのばら」で、男装の麗人オスカルが愛する人と別れる大切なシーンだ。セットの不具合に気がついた客席から困惑したような笑いが漏れる。ここで、どう演技するか――。 15日で創立110年を迎えた宝塚音楽学校(兵庫県宝塚市)。28年にわたって教壇に立つ元星
-
宝塚歌劇で再演「ベルサイユのばら」とは 74年初演、一大ブームに
2023/7/10 19:11 997文字2024年に初演から110周年を迎える宝塚歌劇で、「ベルサイユのばら」の上演が決まった。宝塚大劇場(兵庫県宝塚市)で7月6日~8月11日(東京宝塚劇場は8月31日~10月13日)に、トップスター・彩風咲奈さん率いる雪組で「フェルゼン編」が上演される。初演された1974年からちょうど半世紀。宝塚大劇
-
10年ぶり「ベルばら」再演 あの人気ゲームも 宝塚歌劇110周年
2023/7/10 17:33 1081文字2024年に初演から110周年を迎える宝塚歌劇団(兵庫県宝塚市)は10日、来年前半の公演演目と記念行事の概要を発表した。代表作「ベルサイユのばら」を雪組が10年ぶりに宝塚大劇場で再演するほか、人気ゲームの初の宝塚化作品「FINAL FANTASY(ファイナルファンタジー)」に宙(そら)組が挑むなど
-
宝塚花組・柚香光、着流し姿に誠実さと色気 「鴛鴦歌合戦」開幕
2023/7/7 16:30 781文字宝塚歌劇団花組のミュージカル「鴛鴦歌合戦(おしどりうたがっせん)」とレビュー「GRAND MIRAGE!」が7日、兵庫県宝塚市の宝塚大劇場で開幕した。トップスターの柚香光がユーモアあふれる時代劇と、ロマンチックなレビューで異なる魅力を放っている。 「鴛鴦歌合戦」は1939年にマキノ正博監督、片岡千
-
夢・華やかに
タカラヅカ 愛と革命、身を投じた青年 星組「1789-バスティーユの恋人たち-」 /兵庫
2023/6/22 05:30 998文字◇礼真琴、ロナンを繊細に表現 宝塚歌劇の星組公演「1789―バスティーユの恋人たち―」(小池修一郎潤色・演出)が、宝塚大劇場で上演されている。2012年初演のフランス発ミュージカルで、宝塚歌劇では15年の月組公演以来の再演。トップスターの礼真琴(れいまこと)が新しい時代を追い求める青年を演じ、革命
-