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第一次世界大戦後の1920〜30年代に外交官、国際法学者として活躍した安達峰一郎(1869〜1934年)の功績にちなみ、国際法研究の優れた業績を顕彰する「安達峰一郎記念賞」の第48回贈賞式が東京都内のホテルで開かれ、『国際法における緊急避難』(有斐閣)の著者、山田卓平・龍谷大法学部教授(42)が表彰された。
安達は31年、紛争の法的解決を目指す常設国際司法裁判所(オランダ)所長に日本人として初めて就任し、34年に病没。その遺志を継ぎ、妻かねが遺産全額を寄付して安達峰一郎記念財団を創設した。若手研究者の奨学金制度に続いて68年に設けられた記念賞は国際法関連で最も権威ある賞。
同書は、自国の本質的利益を保護するために他国の権益をやむを得ず侵害する「国際法上の緊急避難」について近現代のあらゆる事例・判例を分析。その歴史的推移と現代的地位を明らかにした。安達のレリーフの前で鈴木正貢・同財団理事長から表彰を受けた山田教授は「伝統のある賞をいただき、30代をかけて取り組んだ夢がかなった」と喜びを語った。【井上卓弥】