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大学倶楽部・神田外語大

千葉県内の中高生の英語力、全国で中学1位・高校2位 教員の研修に教授らが協力

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 全国の公立の小中学校と高校を対象にした2015年度「英語教育実施状況調査」の英語力の結果が5月、初めて都道府県別で公表され、千葉県は中3が1位、高3も2位に輝いた。県教委は日本英語検定協会が開発した「読む」「聞く」2技能の判定テストの受験を勧め、中高教員は15〜18年度のいずれかに年4日、神田外語大(千葉市美浜区)の教授らが講師を務める研修を義務付けたりしていた。【渡辺暢】

 調査は、中3は「英検3級以上を取得、または3級以上相当の英語力がある生徒の割合」、高3は「英検準2級以上を取得、または英検準2級以上相当の英語力がある生徒の割合」を各学校に聞いてまとめたもの。千葉は中3で52・1%、高3で45・5%と、全国平均の36・6%と34・3%を大きく上回った。

 「好成績の自治体は教員向けの研修に熱心です」。調査を担当した文部科学省国際教育課の担当者は、そう分析する。福井県教委によると、福井では40年以上前から教員が任意の研究会で勉強を重ね、リスニングの独自テストをしたり、サマーキャンプを開いたりして英語力向上に取り組んでいた。

 文科省は教員の研修や英語力に注目し、英検準1級以上といった高い英語力を示す資格を持つ教員の割合もまとめている。それによると、高校で福井県は86・6%、石川県は81・0%で全国1位と2位。一方、千葉は39・2%で最下位と対照的だ。

 県教委は指導力アップに向け、15〜18年度の間に県内の小中高の英語教員全員(千葉市を除く)が夏休み期間に3日、冬休みに1日の計4日間、研修を受けることを義務付けた。

 県内唯一の外国語専門大学である神田外語大で昨夏初めて開かれた研修では、午前9時から午後4時まで計450人が机に向かった。講師は同大教授や、英語教育推進リーダーとして文科省の研修を受けた教員20人。英検が求める「読む・聞く・話す・書く」の4技能それぞれ100ページ近くある授業方法のテキストが用意された。

 座学だけでなく、教員が生徒役になって授業を体験する。例えば、読解力を高めるのが狙いの授業では、複数のグループに分かれて別々の英文を読んだ後、全体でそれぞれの内容を発表し合い、文脈が通るように並べ直していった。夏休み明けの授業で試し、そのビデオを冬の研修で見て批評し合った。研修を担当する英米語学科の関屋康教授は「意欲的な教員が多い。学んだことを実践で自分なりに作り上げていくことで、より効果的になる」と話す。

   ◇   ◇

 文科省が「千葉は特に工夫している」と評価するのは、県教委が全国で唯一、15年度に導入した「英検IBA」の活用だ。日本英語検定協会が開発した「読む・聞く」2技能の判定テストで、試験時間は45分。学校で授業時間中に無料で受験できるため、協会から売り込みを受けた県教委が奨励し、県内ほとんどの公立中、全日制高が参加している。

 生徒の英語力を共通の指標で測ることができるため、個々の生徒の能力に合ったきめ細かい指導がしやすくなる。IBAの結果で、英検の何級レベルの力があるか分かることから「生徒が英検を受ける意欲を持つきっかけにもなっている」(県教委指導課)という。

 ただし、4技能のうち2技能の力は測れない。IBAの成績を基に今回の調査で「3級以上相当の英語力がある」と評価された生徒が実は「話す・書く」では基準に達していない可能性もある。県教委指導課の加藤康男指導主事は「他の自治体では、英検を受けていない生徒は通常のテスト結果などから判断する。教員が厳しく評価したため、順位が低くなった県もあるかもしれない。今回の結果に満足せず、どう指導していくが大切だ」と気を引き締める。

 国の英語教育の在り方に関する有識者会議の委員を務めた松本茂・立教大教授(コミュニケーション教育学)は「外部試験の導入は生徒の意識も高めやすく、結果につながった可能性がある。英語教育の予算が大きく小中高それぞれのDVD教材を作っている東京や、以前から研修に熱心な福井など、各自治体が工夫しているが、知事らトップが英語教育にどれだけ熱心かが今後を決めると思う」と話している。

神田外語大

公式HP:http://www.kandagaigo.ac.jp/kuis/
所在地:〒261-0014 千葉市美浜区若葉1-4-1
電 話:03-3258-5837

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