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どの街にも必ず一つはあるといってもいい商店街。しかし、経営者の高齢化に伴う後継者難と人手不足、大型店や多様な店舗形態の登場などで、さまざまな課題が山積する。そうした商店街の活性化に取り組む産業能率大学経営学部の荒井明准教授のゼミ生24人が、同じ活動を行っている大学生が集まるシンポジウムに参加した。
12月3日にすみだ産業会館(東京都墨田区)で初開催された墨田区商店街連合会主催の「商店街×学生シンポジウム」だ。同大のほか、千葉商科大学や早稲田大学などのゼミやサークルなど11団体が参加したシンポジウムでは、地域活性化事業に携わる商店街関係者らによる講演と、学生同士によるパネルディスカッションが行われた。
荒井ゼミは「学生×商店街の連携活動」がテーマのパネルディスカッションに登壇。同ゼミが活性化に取り組んでいる中延商店街(東京都品川区)での活動を中心に、他大学の学生や商店街関係者らと意見交換を行った。
パネリストを務めた小宮山稜介さん(3年)は、増加する外国人観光客の商店街誘致のアイデアとして、同商店街で開催されているねぶた祭りの活用を提案。「外国人観光客は特定の商品よりも身近な場所で日本の文化を実際に見る、聞く、体験することを求めているのではないか」と発表した。
事前に商店街研究の書籍を読み込んでディスカッションに臨んだという小宮山さんは、「人前で発表した自分の意見やゼミの活動に関心を持ってもらえたことで、プロジェクトに対する自信がついた」と話した。
ディスカッション後は各団体のブースでそれぞれの商店街活性化施策の具体的な事例報告が行われた。現在、荒井ゼミでは中延商店街の店舗やイベント情報などを紹介するフリーペーパーを制作しており、通行人や商店街で働く人々へのインタビューなどの調査や、夏から実施してきた活動の説明を行った。
ディスカッションや各団体の事例報告を通した他大学の学生との交流について、「活動内容は違っても商店街を元気づけたいという思いは同じ。同年代の学生とさまざまなアイデアの交換ができて良かった」と小宮山さん。フリーペーパーの編集長も務める小宮山さんは「これを制作して終わりではなく、この先何年もにぎわう商店街になるよう、継続的な手伝いをしたい」と、決意を語った。フリーペーパーは来年2月に発行され、中延商店街の店舗や周辺施設などで配布される。