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大学倶楽部・関西学院大

学生が探る“フクシマ”の今 息飲む原発構内見学-エネルギー政策を考える

車内から、第1原発構内を見学する学生ら

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ほとんど人影のない富岡町中心部 を歩く学生ら

 関西学院大学の学生らが、東京電力・福島第1原発事故を通じてエネルギー政策について考える特別授業に取り組んでいる。専門家から講義を受けながら、このほど福島県を訪ねた。第1原発の構内や周辺地域を見学し、地域の復興やエネルギー政策のあり方を考えた。学生たちに同行して取材した。【田辺佑介】

     授業は日本テレビ「NEWS ZERO」のキャスターも務める関学大の村尾信尚教授が「自分の目で見ることと同時に、様々な分野の話を聞き、物事を判断する力を身につけてほしい」と10月に開始。各学部から希望する学生25人が、福島県職員やエネルギー問題の専門家らの講義を受けてきた。

     福島での見学は10月29、30日の2日間で村尾教授も同行。29日は、東京電力の担当者から、原子炉内に溶け出した燃料の取り出しに向けた作業計画や進ちょく状況などの説明を受けた後、バスで第1原発に向かった。あちこちに放射能による汚染土を詰めた袋が目に付く。帰還困難区域に入ると、壊れたまま取り残された建物や進入を防ぐバリケードが並び、脇道の検問を抜けて原発構内に入った。構内では本人確認後、各自が線量計を渡され、靴をカバーで覆いゴム手袋もつける。再びバスに乗り、放射能による汚染水の貯蔵タンクや骨組みがむき出しになった原子炉建屋のそばに来ると、学生たちは息を飲んで見つめていた。平澤卓磨さん(国際学部1年)は「現場の人たちは誠実に取り組んでいると思う。だが、説明通りに進んでいるか、外から見てもわからない。不安もある」と話す。

     30日は、福島からの情報発信を続ける社会学者の開沼博さんとともにフィールドワークを実施。第1原発のある大熊町に隣接する富岡町中心部で帰還に向け作業中の住民に話を聴いた。開沼さんは「原発構内や帰還困難区域の風景を見るだけならテレビ報道で十分。ここに来たのだから、具体的に課題を把握し、解決のため何ができるかを考えてほしい」と話した。

     中野由貴さん(社会学部3年)は「『少しなら原発に頼ってもいい』との意見もあるが、事故が起きたら『少し』では済まない。廃虚になった町に原発の怖さを感じた。判断は難しい」と胸のうちを語った。澤果林さん(国際学部3年)は「思ったより廃炉に向けた作業が進んでいた。様々な情報がある中、東電の姿勢や原発に反対の人の意見も聴いて考えたい」と話した。

     学生たちは、12月17日の最後の授業で成果を発表する。村尾教授とともに授業を担当した時任隼平・専任講師は「学問として学んだことと、社会問題を結びつけて考えるきっかけにしてほしい」と学生たちを見守る。

    関西学院大

    公式HP:http://www.kwansei.ac.jp/index.html
    所在地:〒662-8501 兵庫県西宮市上ケ原一番町1-155
    電 話:0798-54-6017

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