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大学倶楽部・茨城大

投資すべき銘柄をAIで選択 鈴木教授の研究成果が最優秀賞に 日本人3人目

受賞を記念し講演する鈴木教授
「フィンテック」についても分かりやすく解説した

 株価の変動データを人工知能(AI)で分析し、投資すべき銘柄を選び出すモデルを、茨城大工学部の鈴木智也教授が構築した。鈴木教授はこの成果をまとめた論文によって、投資タイミングの適否を判断する資格の中でも最難関の「国際検定テクニカルアナリスト(MFTA)」に合格するとともに、最も優秀な論文を提出した者に贈られる「国際テクニカルアナリスト連盟(IFTA)ジョン・ブルークス賞」を受賞した。同賞の受賞は日本人として3人目の快挙だ。

     鈴木教授は経済物理学や情報工学を専門とし、特に株価判断の手法のひとつであるテクニカル分析に取り組んでいる。金融とICT(情報通信技術)を融合させ、人が介在せずに自動で金融サービス業務を行う試みは「フィンテック(FinTech)」と呼ばれ注目されており、今回の鈴木教授の研究も、その一環だ。

     株価のビッグデータをAIを使って分析し、将来価格の予測に役立てるに際しては、「ニューラルネットワーク」という複雑な数学モデルがよく用いられる。鈴木教授のモデルでは、複数のニューラルネットワークで同時に分析を行い、導かれた結果から多数決を取ったり平均値を取得したりする「集団学習」という手法を活用し、予測精度を向上させた。

     さらに、鈴木教授は平均値だけでなく標準偏差(ばらつき)にも着目。導かれるデータのばらつきが小さいほど信頼度が高いと判断できるため、売買判断の信頼度を評価し、適切な投資対象銘柄をリアルタイムに選択できるようになる。「集団学習」「標準偏差」という新たな視点が、今回の受賞につながった。

     東京証券取引所とニューヨーク証券取引所に上場されている約1000銘柄を鈴木教授のモデルに従って投資シミュレーションを実施したところ、取引手数料が0.1%以下であれば十分に運用益を得られることが確認できた。

     「国際検定テクニカルアナリスト(MFTA)」は国際テクニカルアナリスト連盟が1988年に創設した資格で、2017年4月現在の有資格者は137人。日本人はこれまで61人が合格している。

     5月31日、東京都内で開かれた受賞記念講演会で鈴木教授は「結果を示せたのはうれしいが、まだシミュレーション段階で、実用化には大きなハードルがある。テクニカル分析やフィンテックの分野で日本はやや後れを取っており、今後は企業とも連携を図り、発展させていきたい」などと語った。

     受賞論文は、今秋発行される国際テクニカルアナリスト連盟の機関誌に掲載される予定。

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