メインメニューをとばして、このページの本文エリアへ

大学倶楽部・法政大

日本版NCAA アメフト部監督の安田氏 安全確保、会計透明化へ

法政大アメリカンフットボール部の監督としてチームを率いる安田氏(中央)

[PR]

 潤沢な資産と恵まれた施設、熱気あふれる観客。全米大学体育協会(NCAA)は華々しい米国の大学スポーツの光景とともに紹介されてきた。2018年度の日本版NCAA創設に向け、議論は地に足がついてきた。ビジネス化の利点を熱く説き、政官で始まった議論にも影響をもたらしてきたスポーツメーカー、ドーム社の安田秀一会長も「お金を稼ぐ前にやらないといけないことがある」と最優先課題として大学の部活動のガバナンス(組織統治)を挙げる。

 安田氏にはもう一つの顔がある。昨年9月、母校の法政大アメリカンフットボール部の監督に就任。不適切な経理で、前任者が大学から解任されたためだ。名門校ほど部費やOB会の寄付は多額になるが、不透明な部分も少なくない。部費の管理に大学が関わっていない部が多いのが実情で、任意団体のために部の通帳を個人名義で管理せざるを得ない。

 監督を務める安田氏の位置付けは無報酬のボランティアだ。他の多くの大学の部活も同様で、OBなどの有志が監督を務め、大学と雇用契約のない者が大半だ。安田氏は「指導者が厳しい練習を課し、選手が倒れて障害が残った場合、誰が責任を取るのか。大学側の責任が明確になっていない」と指摘する。

 米国では、各大学に体育局(AD)と呼ばれる学長直轄の組織が置かれ、スポーツ全体の運営、管理を行う。マーケティングや会計から選手の学習支援、広報まで幅広い業務を行う。大学の統括組織であるNCAA自体、アメフット選手のけがや死亡事故が相次いだことが創設の発端だ。選手の心と体を守る姿勢は一貫しており、最近、大きな問題となる脳しんとうによる後遺症も、アメフットではヘルメットを着用した練習回数を制限するなど選手の安全管理を徹底している。

 スポーツ庁は今年度から日本版NCAA創設に向けた事業を開始する。その目玉となるのがADを支える人材の配置だ。鈴木大地長官も「(日本版NCAA創設によって)部活動の安全管理、会計の透明化が前に進む」と期待を寄せる。米国のような巨大産業が一朝一夕で生まれるわけもなく、日本の実情に合った出発点ともいえる。スポーツ庁幹部は「小さく生んで大きく育てる。ガバナンスの基盤作りを行えば、おのずとお金も流れ込む道が開ける」と説明した。【小林悠太、松本晃】

法政大

公式HP:http://www.hosei.ac.jp/
所在地:〒102-8160 東京都千代田区富士見2-17-1
電 話:03-3264-9240

おすすめ記事
広告
毎日新聞のアカウント
ピックアップ
話題の記事

アクセスランキング

毎時01分更新

  1. ゴーン被告逃亡の手助けした米国人2人の身柄、日本に引き渡しへ 米当局と合意

  2. 大阪市4分割コスト試算「捏造」 市財政局 2日で一変、謝罪 市長面談後

  3. 大阪市4分割ならコスト218億円増 都構想実現で特別区の収支悪化も 市試算

  4. 「限界だった」たった1人の介護の果て なぜ22歳の孫は祖母を手にかけたのか

  5. 本紙報道に維新「誤報」 衆院代表質問 大阪市4分割コスト

のマークについて

今週のおすすめ
毎日新聞社は、東京2020大会のオフィシャルパートナーです