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レーシングカーを自作している茨城大学の学生サークル「学生フォーミュラ部」が、今年も「全日本学生フォーミュラ大会」に挑戦する。7月3日、東京都内で開かれた記者発表会で、チームリーダーの仲秋俊太郎さん(大学院理工学研究科博士前期課程2年)は「目標は総合優勝。射程圏内だと思っています」と宣言した。
この大会は、創造性豊かな技術者の育成を目指し、公益社団法人「自動車技術会」が2003年から毎年開催している。車輪とドライバーがむき出しになったフォーミュラスタイルのレーシングカーを学生が製作し、走行スピードだけでなく、販売戦略、コスト管理能力、開発能力なども競う。ICV(ガソリンエンジン)、EV(電気)の2クラスがあり、例年100ほどのチームが参加している。
同大の「学生フォーミュラ部」は理工学部の研究室活動の一環として、04年に発足。翌年から毎年この大会に出場してきた。12年の総合5位がこれまでの最高位だ。
一昨年は大会に向かう途中で交通事故に遭い、マシンを損傷。昨年は大会中にギアが突然不調になり、タイムと燃費を落として総合15位にとどまった。仲秋さんは「ギアのトラブルがなければ5位以内に入っていたはずだ」と振り返る。
悔しさをバネに、19人の部員が製作中の今年のマシン名は「IUSN-13」。「Ibaraki University」と仲秋さんの名前の頭文字から命名した。可変スタビライザー(水平安定板)の導入による旋回性の向上が目玉だ。ボディーカラーも、これまでの赤・黒・白を基調としたものから、シックな雰囲気が漂う青・黄・白の組み合わせに刷新した。
この日の発表会場となった日本自動車会館(東京都港区)の前には製作途中のマシンも展示され、テクニカルディレクターを務める伏見輝さん(大学院理工学研究科博士前期課程1年)に「操作性を向上するために特に工夫した点は何か」「ステアリングの形状に特徴があるが、どんな狙いがあるのか」などと記者から質問が飛んでいた。
大会は9月5~9日、静岡県袋井市の小笠山総合運動公園で行われる。「IUSN-13」製作を支援する企業約100社など学内外の応援団の声援を背に、頂点に挑む。