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水戸市を代表する夏の風物詩、「水戸黄門まつり」が今年も8月4~6日に開かれた。山車(だし)巡業や花火大会など数々の催しが次々開かれる中、2日目のメインイベントは「市民カーニバルin水戸」。2006年からカーニバルにチームを送り込んでいる茨城大学からは今年、約100人が参加した。クラウドファンディングで集めた資金で新調したそろいの法被姿で、学生、留学生、教職員らが息の合った踊りを披露した。
クラウドファンディングに挑戦したのは、教育学部3年の鈴木夏海さん。学生よさこいサークル「海砂輝(みさき)」の代表だ。「海砂輝」は一昨年から茨城大チームの振り付けを担当しているが、参加人数が増えるにつれ、衣装や移動にかかる費用の工面が課題となっていた。そこで鈴木さんがクラウドファンディングの活用を提案。「踊る人、応援してくれる人、沿道で見てくださる方、全員が楽しめるよう一生懸命パフォーマンスします」とカーニバルにかける熱い思いを発信したところ、当初目標としていた30万円を上回る34万7000円の寄付が集まった。
カーニバルは午後4時半スタート。岡倉天心が設計した六角堂(北茨城市)を模した櫓(やぐら)を先頭に、三村信男学長をはじめとするメンバーが隊列を作った。同大五浦美術文化研究所の一角にある六角堂は、東日本大震災で建物が流出したが、1年後の2014年に再建を果たし、復興のシンボルとして全国に知られている。
じっとしていても汗が噴き出るような晴天の下、「黄門ばやし」「ごきげん水戸さん」などの曲に合わせて100人が鳴子を打ち鳴らし、「茨城大学 どっこいしょ」のかけ声を響かせた。企業の同僚グループやダンスサークルな約50チームとともに、水戸駅北の大通り約1キロを踊り、練り歩くと、沿道から声援と拍手がわき起こった。
終了の午後8時まで踊り続けた留学生は「本当に楽しかった。今年帰国する予定だが、またこの祭りに参加したい」と「日本の夏」に魅了されていた。