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巡回展「辻邦生のパリ」紹介 東京・日仏会館

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復元展示された辻邦生の自宅(東京・高輪)の書斎の机 拡大
復元展示された辻邦生の自宅(東京・高輪)の書斎の机

 『背教者ユリアヌス』『西行花伝』などの長編小説で知られる作家、辻邦生(1925~99年)の巡回展覧会「辻邦生--パリの隠者」(学習院大学史料館主催、毎日新聞社など後援)が東京・恵比寿の日仏会館ギャラリーで開催されている。

 昨年11月、フランスのパリ日本文化会館、ストラスブール大を会場に海外で初めて開かれた展覧会を再現した。50年代のパリ留学から、学習院大仏文科教授としてパリ大学で講義を担当した80年代まで、現地での生活の様子や文学上の功績に加え、同行した西洋美術史家の佐保子夫人(30~2011年)についても紹介されている。

 自筆原稿や創作メモ、日記や愛用品、ユニークな自筆漫画の展示のほか、東京・高輪の自宅書斎の様子(一部)も公開される。また、89年の作品『銀杏(いちょう)散りやまず』に描かれた薩摩琵琶(びわ)奏者の父、辻靖剛(1892~1981年)ゆかりの琵琶や復元された正倉院の螺鈿紫檀五絃(らでんしたんごげん)琵琶を併せて展示する。

 11月18日まで。開館は正午~午後8時(最終日は午後4時閉館)。会期中の12日午後2時には、仏文学者の保苅瑞穂・東京大名誉教授が「辻邦生の読んだプルースト」と題して同会館ホールで講演する。入場無料。定員130人(当日先着順)。問い合わせは学習院大史料館(03・5992・1173)。【井上卓弥】

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