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大学倶楽部・上智大

外国語学部伝統の「語劇祭」 4言語の学生たちが熱演

英語劇「サザエさん翻案劇」で、20歳の誕生日にカミングアウトするカツオ
イスパニア語劇「戦場のピクニック」で、敵兵も交えてピクニックをしている場面
ポルトガル語劇「マッチ売りの少年」で、神父に将来の夢を話す少年たち
ロシア語劇「花嫁選び」の一場面
ロシア語劇「赤紫の島」のフィナーレ
語劇祭全体を総括する村田真一教授

 上智大学で12月10日、外国語学部主催の「語劇祭」が開催され、同大の学生や留学生ら延べ約300人が観劇を楽しんだ。イエズス会の流れをくむ同大では、1913年の創立当初より外国語での演劇活動が行われてきた。1960年には英語、ドイツ語、スペイン語、フランス語、ロシア語、ポルトガル語の6カ国語で開催。その後、言語ごとの独立開催や中断などを経て、今年は2010年の復活から数えて8回目の上演。開演を前に、高祖敏明理事長は「イエズス会教育においては、ルネサンスの時代より外国語教育の頂点には演劇があった。それは外国語を表現するのに演劇が適していたからだ」とあいさつした。

     英語劇は英語必修クラスからの参加で「サザエさん」を改変し、ジェンダーの問題を取り上げた「サザエさんの翻案劇-LGBTQ(性的少数者など)をテーマとして」を上演。原作から6年後のサザエさん一家という設定で、タラちゃんはバレリーナを夢見、ワカメはハーバード留学を目指し、その学費のためにサザエは夜中の工事現場に立ち、それを知った波平が激怒。一方、一連の騒動の後、20歳の誕生日を迎えたカツオは、ナカジマ君と相思相愛であることをカミングアウト。この何とも斬新なストーリーを、普段人前で演じたことがない2年生11人が熱演した。

     今回一番セリフが多かった波平役の高橋知穂さんは「異性役を演じること以上に自分自身、普段あまり怒らないし、父もほとんど怒らないので、演技が本当に難しかった」。また、カツオ役の福原寛立さんは「これまでLGBTQを意識することも理解することもしていなかったので、かなり難しかった。留学先のフィリピンで知り合ったゲイの友達に連絡し、アジアではゲイはもう普通のことで隠したりしないと言われ、いろいろと考えながら演じた」と語った。

     イスパニア語劇はF・アラバール作の「戦場のピクニック」を上演。正規部員4人という少人数で、“戦争の愚かさ”を表現した。部長の保倉宜幸さん(2年)は、「少人数で、1年生の指導も行いながら仕上げるのは大変だった。作者のアラバールは、スペイン内戦の直前に生まれ、戦争の混乱の中で父親を亡くしているので、今回の劇には反戦への強い思いが込められている。この劇を通じて反戦と平和を訴えたかった」と話した。

     ポルトガル語劇は、初めてのオリジナル脚本(2006年)で、リオのストリートチルドレンの世界を描いた「マッチ売りの少年」を再演。「人を脅す凶器であるナイフから、神父へのプレゼントとなるペーパーナイフへ、社会の悪と言われた少年たちから成功者へ」という二つの“ターニングポイント”と、その前後の対比がうまく表現されていた。部長の佐久間康介さん(4年生)は、「我々にとって縁遠いストリートチルドレンの世界を理解するために、役者は皆、映画、本、先輩方の話などから情報収集に努めた。私は留学には行かなかったが、語劇で生きたポルトガル語に触れて、留学と同等もしくはそれ以上の経験ができた」と振り返った。

     ロシア語劇は、M・クズミーンの「花嫁選び」とM・ブルガーコフの「赤紫の島」を上演。「花嫁選び」はセリフが少なくパントマイムの要素が多い作品で、1年生を中心に身体を駆使しながら演じた。「赤紫の島」は、ロシア語劇サークルとしては登場人物が最も多くなったが、主役クラスのみならず群衆役も感情を込めて演じた。観客にはロシア人も多くいたが、随所で笑いが湧き起こっていた。座長の明珍奨真さん(4年)は、「長編の戯曲を短くしたため、ブルガーコフの意図を十分伝えられなかったかもしれないが、ベストは尽くせた。ソ連時代にこのような“検閲”が横行したことを、劇を通じて理解してもらいたかった」。

     上演後、外国語学部長の村田真一教授は「各学科の学生たちは語学のみならず、時代性や文化背景、社会状況も積極的に学んだ上で、十分な準備をしてきており、学科ごとに異なる味をうまく出していた。来年はフランス語、ドイツ語も参加する予定。これを機にかつての語劇の規模、またそれ以上を目指したい」と総括した。

    上智大

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