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大学倶楽部・上智大

映像回線でローマ法王と学生が対話 「教皇フランシスコと話そう」を開催

学生の質問に真剣に耳を傾けるフランシスコ・ローマ法王
開会のあいさつをする曄道佳明学長
スペイン語で質問をする小早川麻美さん
バチカンから招待を受けた石井麟太郎さん

 上智大学で12月18日、映像回線を通じてフランシスコ・ローマ法王と上智学院の大学、短期大学部、中等教育部門の学生・生徒が対話する「教皇フランシスコと話そう」が開催され、教職員も含め約700人が参加した。

     フランシスコ法王は、学園の設立母体であるカトリック・イエズス会出身の初のローマ法王。イベントはイエズス会の教育機関である学園ならではの企画として実現した。

     冒頭、同大の曄道(てるみち)佳明学長が「カトリック精神を共有する人々が一堂に会し、同じ時間、空間の中でフランシスコ法王の話を聞く経験は大変意義深く、法王のメッセージをいろいろな人につなげていただきたい」とあいさつ。

     フランシスコ法王と学生との対話のために、学園の学生・生徒から寄せられた約100の質問の中から、八つの質問が選ばれた。同大理工学部3年の斉藤怜奈さんは、「現代の若者に対する一番大きな希望と懸念は何か」と質問。法王は「世の中のスピードが速すぎるため、若者が記憶や自分のルーツを失っていることが大きな心配だ。ここで言うルーツは、文化、歴史、家族、人間としてのルーツのことだ。ルーツをしっかり持ち、将来を見据えながら挑戦していってほしい。黒沢明の『八月の狂詩曲』は非常に参考になる」と答えた。

     ミャンマーからの留学生で地球環境学研究科博士課程のチョウ・トゥ・アンさんは英語で、「今の世界にとって、宗教の重要性はどこにあるか」と聞いた。すると、法王は「宗教は、元々は人の心の中にあり、自分自身の考えから発展した。その中から絶対的なもの、すなわち神を見いだし、それは“存在を超越したもの”なのだ。あらゆる宗教は人を成長させるが、それは“他者に奉仕する”ものでなければ宗教的とは言えない」と答えるとともに、「“原理主義”が宗教の教義に基づいたものではなく、社会・政治目的の小グループから生まれ、テロの原因になる」と語った。

     ペルーへの留学経験があるイスパニア語学科4年の小早川麻美さんは、「貧困の削減と環境保全を同時に達成するには、具体的に何が必要か」とスペイン語で質問した。法王は「今人類は、環境保全に真剣に取り組むのか、さもなくば滅亡するのかという厳しい選択を迫られている。環境問題の要因は、経済や金融至上主義によるもので、環境バランスを考えずに開発をし続けることが問題だ。『ラウダート・シ』(回勅)には、環境だけでなく社会問題についても触れている。環境と社会は切り離せないものなのだ」と答えた。

     上智学院の中等教育部門からは2人の高校生が参加。栄光学園高校2年、佐藤航貴さんは「2018年に予定されている『難民・移民の世界大会』のための法王メッセージの中で、『難民もそれを受け入れる共同体の成長も大切である』と述べているが、難民との共存についてはどのように考えるか」と尋ねた。法王は「人類とはそもそも移民であり、ヨーロッパ人も何世紀にもわたる移民の積み重ねから成り立っている。移民・難民は、戦争や飢餓から逃れてきた人々であり、受け入れなければならない。皆さんが移民・難民の問題を掘り下げて勉強することを期待する」と述べた。

     六甲学院高校2年の石井麟太郎さんは、「日本・バチカン市国国交樹立75周年記念事業」の作文コンクールで最優秀作品賞を受賞。同日夜に招待でバチカンへ渡航することになっており、「日本についてどんなイメージを持っているか。来日予定はあるか」と質問。法王は「以前、1週間、日本に滞在したことがある。日本に対するイメージは、理想、深い能力、宗教心を持ち、勤勉で、過去に多くの苦しみを経験した国民というものだ。称賛すべき国で尊敬している。公式な招待も受けており訪問したいと思うが、いつになるかはわからない」と答えた。

     石井さんは、フランシスコ法王について「世界を代表するような方なので、厳しい人だと思っていたが、厳かな中にも気さくなところがあり、とても話しやすかった。バチカンでお会いきるかもしれないが、“袖振り合うも多生の縁”ということわざを持ち出して、世界中のどんな人たちともわかり合える、という話をしてみたい」と感激した面持ちだった。

     また、石井さんとともに質問した前出の小早川さんは、「環境と貧困の問題は切っても切り離せないものだということがよく分かった。自分中心のエゴイズムではいけない。先進国に所属する一員として、経済中心から少し離れて、周りを見ることから始めたいと思う」と意欲を新たにしていた。

     学生との対話の後、来場者全員で「あめのみつかいの」と、前日の17日に誕生日を迎えたフランシスコ法王を祝し、スペイン語で「Happy Birthday」(Que lo cumpla feliz) を唱和し、イベントを盛り上げた。

    上智大

    公式HP:http://www.sophia.ac.jp/
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