メインメニューをとばして、このページの本文エリアへ

大学倶楽部・金沢工業大

学生たちがチェアスキー用具開発 オリ・パラ垣根越えて

チェアスキーの開発に挑む学生たち。試乗して乗り心地も確かめている

[PR]

 金沢工業大学の学生たちが、椅子付きのスキーで滑る「チェアスキー」の用具開発に取り組んでいる。パラリンピックの正式種目だが競技人口は少なく、既製の用具は主に選手向け。学生たちは「立って滑るスキーとは違う面白さがある」と、乗り心地や操作性に工夫を凝らす。2020年の東京五輪・パラリンピックに向け、「自分たちが作った用具で二つの大会の垣根を越える競技にしたい」と意気込んでいる。

 同大が分野を超えた研究を進めようと設けた「クラスター研究室」のプロジェクト第一弾。鈴木亮一教授(ロボット工学)が福祉機器開発に関わる縁からチェアスキーをテーマに選んだ。初心者も楽しめるようにと、競技用に比べて機能を簡略化し、成長期の子供が頻繁に買い替えないで済むよう、椅子の大きさを調整できる形を目指す。

 開発の中心メンバーは、機械工学▽ロボティクス▽応用化学▽心理情報--の4学科の4年生9人。「まずは競技と利用者を知ることから」と、昨年3月、新潟県南魚沼市であったチェアスキー体験教室にボランティアで参加した。体験者の多くは、障害で足が動かしにくい子供。学生たちは、スキー板をまたいで椅子に座ることが難しかったり、体に合う椅子を探しにくいといった現状を知った。

 学生たちは障害者と接した経験があまりない。教室に参加した機械工学科4年の村上勇太さん(22)は「特別な気遣いは必要ないと教えられた。障害がある子も一緒に競技を楽しんでいた」と振り返る。「スピードを出したい」などの希望を満たしつつ、安全なチェアスキーを作ろう、と意欲がわいた。

 4月には、チェアスキーの装着や滑走、リフト乗車など、教室の様子を撮影した動画の上映会を開いた。教員を交えて利用者のニーズを議論し、図面を作製。3Dプリンターで小型模型も作った。スキー板が1本のもの、2本のもの、ストックの先端に小さなスキーが付いた「アウトリガー」など、分担して仕上げていった。椅子と一部の部品は既成品だが、他は手作りだ。

 「車と同様、直感で操作しやすい作りに」「既成品の椅子部分に詰め物をして大きさを調整するのはどうか」。発想は尽きない。パラリンピック選手や、企業の技術者の助言を受けて改良し、今年2月のお披露目に向けて準備を進める。鈴木教授は「さまざまな分野の人と協力してチェアスキーを開発する経験は、社会人になってから生きるはず」。村上さんは「自分が滑って楽しい用具を目指した。健常者と障害者の『違い』を意識させない競技になれば」と夢を語った。【久木田照子】

金沢工業大

公式HP:https://www.kanazawa-it.ac.jp/
所在地:〒921-8501 石川県野々市市扇が丘7-1
電 話:076-246-4784

おすすめ記事
広告
毎日新聞のアカウント
ピックアップ
話題の記事

アクセスランキング

毎時01分更新

  1. 首相会見「官邸職員が記者の腕つかむ」朝日新聞社が抗議 官邸側は否定

  2. ヤフー、最大39万件のID誤登録 氏名、住所、電話番号など別の利用者に

  3. 時の在りか 「もう菅政権になっている」=伊藤智永

  4. 女子高生をワイヤで拘束、監禁 容疑で会社経営者を逮捕 埼玉県警

  5. 川崎の駐車場で露出 公然わいせつ容疑で港区議逮捕 否認「右手で隠していた」

のマークについて

今週のおすすめ
毎日新聞社は、東京2020大会のオフィシャルパートナーです