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大学倶楽部・明治大

対話通じて文理融合考える 公開シンポジウム

鼎談する(左から)明治大学長特任補佐の三村昌泰氏、研究・知財戦略機構の中沢新一特任教授、山口智彦特任教授
「不可能立体」を用いて錯覚を解説する明治大学研究・知財戦略機構の杉原厚吉特任教授

 明治大学は3月17日、さまざまな分野の研究者が数理科学の視点から社会現象や日常の課題にアプローチするシンポジウム「対話が誘う文理融合の世界」を同大駿河台キャンパスアカデミーホール(東京都千代田区)で開き、約330人が出席した。

     同大は2013年4月に、数理科学と情報技術をカリキュラムの中心に据えた総合数理学部を開設し、今年で5年を迎える。シンポジウムは4部構成で、第1部「インテリジェンスの深層」では、同大学長特任補佐の三村昌泰氏が講演。数学者の三村氏が、粘菌などが餌と餌の最短距離をつなぐ形に変形する特性から、複雑な迷路で最短の道筋を見つけ出せる事例を紹介し、脳や神経系を持たない生き物にインテリジェンスがあるのか、知性とは何かを問いかけた。

     同大研究・知財戦略機構の中沢新一特任教授と山口智彦特任教授を迎えての鼎談(ていだん)では、「人間の賢さは分析力や計算力が高いことではない。人工知能(AI)は人間を超えられないかもしれない」「日本の知性は『場』で発揮される一方、欧米の知性は『個』を重視する」などの意見が出された。

     第2部「畳む世界・広げる世界」では、折り紙工学の第一人者である同大研究・知財戦略機構の萩原一郎特任教授が講演した。折り紙の歴史や、山谷の折り線が平たんに折りたためるための条件(前川定理、川崎定理)など折り紙の世界に影響を与えた数学の定理、ドレスやソーラーパネルなど折り紙工学が活用できる技術を紹介した。

     その後、国立科学博物館の林良博館長と同大総合数理学部の荒川薫教授とともに行われた鼎談では、折り紙工学と同様に、ハスの葉の超はっ水現象を模倣した傘や、ふくろうの羽の構造からヒントを得たパンタグラフなど、生物が進化の過程で獲得した体の構造や習性を製品開発に生かした例が話題に上がった。

     第3部「AIと音楽」には、同大総合数理学部の嵯峨山茂樹教授が登壇。数理的手法で行うAIの作詞・作曲、伴奏の構造を説明し、著作権はどこにあるか、人間と置き換え可能かについての疑問を提起した。

     第4部「理性を欺く錯視の世界」では、「ベスト錯覚コンテスト」で2度の優勝経験がある同大研究・知財戦略機構の杉原厚吉特任教授が講演した。自身が製作した、重力に反する動きが見えたり、鏡に映すと姿が変わったりする立体錯視を体験できる「不可能立体」の作品を用いて、錯覚を起こす脳の不思議について考えた。

     鼎談には、同大政治経済学部の飯田泰之准教授と先端数理科学研究科の田野倉葉子特任准教授が加わった。街路樹を植える間隔を狭くしたことがスピード違反減少に寄与した例など身近にある錯覚について意見が交換された。

     このシンポジウムは、同大が昨年度、数理科学研究の分野で、独自の研究に取り組む大学を文部科学省が支援する「私立大学研究ブランディング事業」の支援対象校に選ばれたことから行われた。今後も自治体や他大学、企業などと連携し、文理融合の研究を進めていく。【丸山仁見】

    明治大

    公式HP:http://www.meiji.ac.jp/
    所在地:〒101-8301  東京都千代田区神田駿河台1-1
    電 話:03-3296-4545

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