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日中の懸け橋作りに奔走、在北京の日本人学者 大学長特任補佐の林振江さん   

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明治大学長特任補佐の林振江さん 拡大
明治大学長特任補佐の林振江さん

 日中関係を何とかしたい。北京在住30年の自分だからこそ何かできることがあるのではないか。 明治大学長特任補佐の林振江(はやし・しんこう)さん(50)はそんな問題意識から、昨年9月に中国人研究者との共著で「李徳全 日中国交正常化の『黄金のクサビ』を打ち込んだ中国人女性」(日本僑報社、石川好監修)という本を日中同時出版した。

 李徳全とは、1954年に来日、まだ大陸に残っていた日本人BC級戦犯約1000人の名簿を日本赤十字社に届け、彼らの帰国実現のきっかけを作った新中国の高名な女性社会活動家だ。李氏の存在を改めて浮かび上がらせ、両国の新たなかすがいにしたい、というのが狙いだった。苦心したのは日中合作にして、中国版は中国で最も著名な学術書出版社から出すことだった。そうすれば、中国の指導者層にも伝わるだろうと考えた。

 父が中国人、母が日本人という生い立ちから、高卒後、単身で北京大学に留学、国際政治を専攻し、日本人として同大国際関係学院(学部)で博士第1号になった。

 首脳外交を研究、田中角栄、周恩来という2首脳の個性が国交正常化に大きな影響を与えたことを知った。首脳の一挙一動が外交の成果に直結すると考える。「今の日中は互いに何するものぞという気持ちが強い。感謝の材料になるようなネタを掘り起こしたい」と語る。両国首脳には平和友好条約締結40周年という節目に、最初の懸け橋になった女性を今一度思い起こしてもらいたいと願う。【倉重篤郎】


 ■人物略歴

はやし・しんこう

 京都府出身。北京大日本研究センター常務理事、明治大学長特任補佐として、若者交流のため両国を頻繁に往来。

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