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学生と教職員が「平昌パラリンピック」視察 高校生500人対象に報告会

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報告する(左から)山本さん、神野さん、金さん 拡大
報告する(左から)山本さん、神野さん、金さん
車椅子でソウル地下鉄の改札を通る山本さん 拡大
車椅子でソウル地下鉄の改札を通る山本さん
ソウル地下鉄コンコースの長いスロープを車椅子で行く神野さん 拡大
ソウル地下鉄コンコースの長いスロープを車椅子で行く神野さん
パネルディスカッションに参加する島教授(右)と高松さん 拡大
パネルディスカッションに参加する島教授(右)と高松さん

 平昌(ピョンチャン)冬季パラリンピックを視察した学生と教職員による報告会が3月30日、上智大学で開かれた。高校生を対象とした入試説明イベントの一環として開催され、同大を目指す約500人の生徒が耳を傾けた。

 同大では「ソフィアオリンピック・パラリンピックプロジェクト」を2016年に発足させ、さまざまな取り組みを展開している。今回は同プロジェクトの調査団として、学内公募で選ばれた学生3人、教職員4人が現地に派遣された。

 調査団は同月7~11日、韓国に滞在し、現地の西江(ソガン)大学とナザレ大学、韓国パラリンピック委員会が運営するトレーニングセンター、ソウルの障害者スポーツ団体などを視察。ソウル市内の交通機関やパラリンピック会場の施設などのアクセシビリティー(利用のしやすさ)調査も行った。

 報告会では、団長を務めた文学部保健体育研究室の島健教授が「平昌(韓国)、東京、北京と3大会連続でアジアで五輪が開催されるので、共生社会の構築に五輪がどう影響を与えていくかを今後も見極めていきたい」と語った。

 韓国からの留学生で、総合人間科学部1年(現2年)の金美進さんは「韓国は就職状況が厳しいので、自分の市場価値を高めるためにボランティアに参加する人が多い。しかしいったん始めると、困っている人をすぐに助けるなど役割をきちんとこなしていた」と述べた。

 理工学部3年(同4年)の山本華菜子さんは、車椅子でソウルの地下鉄に乗車経験した。「改札は幅が広く、高さも十分低いが、扉が非常に重かった。乗り降りの際のちょっとした段差もかなり障害になったが、若者がすぐに手を貸してくれた」と話した。同じく車椅子で構内の長いスロープを移動した外国語学部1年(同2年)の神野帆夏さんは「スロープがきついなと感じたら、すぐに男性が押してくれた」と話した。

 神野さんは言語のアクセシビリティーについても触れ「英、韓、中、日の各語を併記した例もあったが、韓国語のみの表記も多かった。一方で、多言語対応のインフォメーションセンターが各所に配置されていた」と報告した。

 続くパネルディスカッションでは、教職員も議論に参加した。リオ五輪も視察した職員の高松理沙さん(学生センター)は「リオはハード面の遅れをハートが補っていた。平昌は逆に、ハードが先に整いハートが後で追いついたという印象だ。学生が直接ハードを変えるのは難しいが、ハードの改善を求めるハートを集めることはできる」と話した。

 高松さんはまた「ボランティアをサポートするいろいろな受け皿が、上智大には用意されています。ためらわずに始めれば、新しい世界が見えてきます」と高校生にエールを送った。

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