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ニホンウナギ 資源回復図りつつ養殖 岡山のベンチャーと協力

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 ニホンウナギの持続可能な養殖を目指す事業を、岡山県西粟倉村のベンチャー企業「エーゼロ」が始めた。稚魚(シラスウナギ)の捕獲から出荷までの履歴を管理して透明性を確保するとともに、仕入れた稚魚の半数は放流し、ウナギ資源量の回復も図る。中央大の研究チームと連携し、稚魚の成長や定着率を追跡調査する。同社は「資源を守りながらもビジネスが成り立つモデルを構築し、日本の大切な食文化を残したい」としている。

 同社は今年3月、稚魚500グラムを千葉県の業者から仕入れ、廃校となった同村内の小学校で養殖を始めた。ウナギの稚魚は違法取引が横行し、資源管理を難しくしている。このため同社は、稚魚の捕獲場所や時期を確かめて文書や画像に残し、消費者にも情報を提供する。

 稚魚の放流場所は村内の河川で、短期間飼育した3グラム程度以下の小型に限る。欧州の研究で、稚魚の放流効果は小型の方が高いという報告があるからだ。

 国際NGO「水産養殖管理協議会(ASC)」(本部・オランダ)の水産エコラベルの認証基準を参考に、国内の認証機関「アミタ」(本社・東京)が取り組みを審査する点も、今回の特色だ。

 ニホンウナギは2014年に国際自然保護連合(IUCN)から絶滅危惧種に指定されている。現時点でASC認証を取得することはできないが、審査を受けることで取り組みの客観性を担保し、改善点を探るという。

 稚魚の放流調査に協力する中央大の海部健三准教授(保全生態学)は「消費者がこうした商品を選択することで、持続可能なウナギの養殖を応援できる」と話している。

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