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大学倶楽部・東京経済大

微小プラスチック サンゴ白化の引き金 大久保准教授らの研究チームが発表

マイクロプラスチックのモデルとなるビーズ(緑色の部分)を食べさせた後に褐虫藻を放ち、1日たったサンゴの幼体。褐虫藻(赤い部分)はほとんど体内に入り込めていない=大久保奈弥・東京経済大准教授提供

 プラスチックごみが砕けるなどしてできる微小粒子「マイクロプラスチック(MP)」がサンゴと褐虫藻(かっちゅうそう)の共生関係を阻害するという研究結果を、東京経済大学の大久保奈弥(なみ)准教授(サンゴ生物学)らの研究チームが海洋汚染の専門誌「マリン・ポリューション・ブレティン」に発表した。実験でMPがサンゴと褐虫藻の共生に影響することが分かったのは初めてだという。

 褐虫藻は植物プランクトン。サンゴは体内に褐虫藻をすまわせて光合成による栄養をもらう一方、褐虫藻の養分となる老廃物を渡しており、両者は共生関係にある。褐虫藻と共生できないと、サンゴは「白化」現象を起こし、死滅することもある。MPは大きさが5ミリ以下の微小なプラスチックの総称で、地球規模での海洋汚染が問題になっている。チームは「世界中のサンゴの生存や生育に害を及ぼす恐れがある」と警鐘を鳴らしている。

 チームは、シナキクメイシというサンゴの幼体(体長0・3ミリ)21匹に、直径0・003ミリの粒状のMPのモデルとなるビーズを混ぜた餌を与えた。体内にビーズが蓄積されたのを確認後、水槽に褐虫藻を放ったところ、共生できたのは1日後で5匹、2日後でも10匹にとどまった。ビーズ入りの餌を食べさせなかった幼体は、全ての個体で褐虫藻を入れた直後から共生がみられた。

 ビーズは食物連鎖を通してサンゴに蓄積されることも分かり、新たに取り込まなければ徐々に排出されるものの、小さいMPほど体内にとどまりやすかったという。大久保准教授は「サンゴの体内の褐虫藻がすむ場所がMPに取られてしまったと考えられる。周囲にMPがあれば、白化から回復しにくくなる可能性がある」と話す。【荒木涼子】

東京経済大

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