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大学倶楽部・茨城大

台風減災 マングローブで挑む 京大などと波弱める効果を検証

実験には、沖縄・西表島に自生するヤエヤマヒルギを使っている

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西表島のマングローブ林=森信人・京都大防災研究所准教授提供

 台風に伴う高潮・高波被害を減らそうと、マングローブが波の力を弱める効果を検証する実験を茨城大や京都大などの研究チームが進めている。地球温暖化の進行に伴って強い台風が増えると予測され、沿岸部の被害の深刻化が懸念されている。チームは実験結果を基に、アジア・太平洋地域の途上国で、最適な植林など温暖化に伴う被害を減らす具体的な「適応策」を提案する。

 マングローブは、亜熱帯や熱帯の海水と淡水が混じり合う汽水域に生息する植物の総称。波を弱め、津波の被害などを減らすことが知られている。だが、植物が波を弱める詳しいメカニズムや具体的な軽減効果などははっきりしていなかった。

 そこで、チームは今年6月、沖縄・西表島内の琉球大の演習林で、マングローブの一種でヒルギ科の植物「ヤエヤマヒルギ」3本(樹齢20年程度、高さ約4メートル)を採取。最大3・5メートルの波を起こすことができる港湾空港技術研究所(神奈川県横須賀市)で環境省の研究事業として、今月から実験を始めた。

 実験では、根に波の圧力や加速度、たわみなどを調べるセンサーを設置し、3~7秒に1回の頻度で0・2~1メートルの波にさらす実験を行った。チーム代表の森信人・京都大防災研究所准教授(沿岸防災工学)によると、マングローブの根の複雑な形状が波を弱めるのに役立つことが分かってきたという。

 チームは、実験結果に基づいて、来年度末までに高潮・高波が来た時のマングローブの効果を再現・予測できる手法を開発。将来、予測される沿岸部の被害を減らすのに必要な木の配置や本数などを検証する。マングローブは途上国では、薪や養殖施設建設などのために伐採されることが多い。森准教授は「マングローブが減災に役立つことが明らかになれば、植林や管理など地元の雇用創出も期待できる。マングローブによる二酸化炭素吸収、被害の軽減、雇用という『一石三鳥』を実現できるよう、科学面からの技術的支援をしたい」と話す。【大場あい】


高潮

 台風など強い低気圧が通過する際、海面が高くなる現象。中心気圧が低いため、掃除機で吸い上げられるように海水面が引っ張られ、強風で海水が沿岸に吹き寄せられる。八代海▽有明海▽周防灘▽大阪湾▽伊勢湾▽三河湾--などが危険とされる。1959年の伊勢湾台風では最大3.55メートルの高潮が発生し、愛知、三重両県で4500人以上の死者・行方不明者が出た。

茨城大

公式HP:http://www.ibaraki.ac.jp/
所在地:〒310-8512 水戸市文京2-1-1
電 話:029-228-8111

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