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格安航空会社(LCC)のジェットスター・ジャパンは7月27日、自社のパイロット養成プログラムの第1期生として副操縦士に昇格した4人を祝うセレモニーを成田空港で開いた。このうち2人は同社にとって初の日本人女性の副操縦士で、いずれも桜美林大のフライトオペレーションコースを卒業し、2017年4月に入社した。「機長を目指したい」と抱負を語った。
4人は大学などでパイロットの資格の一部を取得し、入社。訓練生として17年7月から約1年間にわたり、機体のシステムや気象などを学び、韓国でのシミュレーターや大分空港での実機の訓練などに励んできた。
初の日本人女性の副操縦士となった長瀧矢永子さん(24)がパイロットを志したのは、小学生の時、若手パイロットの活躍を描いたテレビドラマを見たことがきっかけ。長瀧さんは「飛行機に乗れば男性も女性も関係なく、一人のパイロットとして乗務することになり、必ず安全に下ろす選択しかない。何があっても最後までやりきることを自身のモットーにしている」と話す。
清宮有華さん(23)は、小学校低学年のころに米国で乗った飛行機のパイロットが女性だったことに驚き、「女性でもなれることに衝撃を受け、あこがれた」と振り返る。4月下旬から乗務していて、不定期のフライトスケジュールに耐えるためには「体力が必要不可欠」と痛感し、ランニングなどで体力維持に努めている。
この日のセレモニーで、長瀧さんは「技術と知識を身につけたい」、清宮さんは「毎日のフライトを安全に効率的に行いたい」とそれぞれ決意表明した。同社の片岡優社長は「苦しいこともあったと思うが、いい見本を見せてくれてうれしい。常に安い料金を安心安全で、楽しい空の旅を提供することを忘れずに頑張りましょう」と激励した。
同社の機長と副操縦士は計約200人おり、これまで女性はグループ会社から出向中の豪州人の副操縦士だけだった。副操縦士から機長に昇格するには最低でも5年かかる。航空需要の高まりに伴ってパイロット不足が懸念されており、片岡社長は「どこの航空会社も苦労している」と言う。同社は従来の経験者採用とグループ会社からの出向に加え、自社での養成を始めた。【中村宰和】