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大学倶楽部・宇都宮大

小泉さんら若手経営者、得意分野生かし起業 宇都宮市が支援に注力

こうじを使った離乳食の販売を目指すアグクルの小泉泰英代表
長年のカラス研究を生かし、カラス被害対策のコンサルティングを行うクロウラボの塚原直樹代表

 宇都宮市内で若者が起業する動きが広がっている。自らの得意分野を生かしてビジネスを展開し、行政の支援も受けながら、地域貢献にもつなげようとしている。挑戦を続ける2人の若手経営者に話を聞いた。

    乳幼児へ甘いこうじ 宇大4年・小泉さん開発

     宇都宮大農学部4年、小泉泰英さん(21)は友人と2人で乳幼児向けの甘いこうじ食品を開発した。今年5月に飲食料品小売業「アグクル」を設立し、学業とビジネスを両立している。

     大学3年の春、肥料や農薬を使わない米農家で研修した。こだわりの米に感銘を受けたが、手間もかかり大きな収入につなげられない現状に「この米に付加価値をつけて世の中に送り出せないか」と感じた。

     そこで、日本酒の利き酒が得意だった同学部の親友、加藤誠士さん(23)を誘い、米こうじを使った甘酒に着想を得た「あまこうじ」の開発を始めた。

     当初は40~60代女性向けの美容食品の開発を目指したが、知人の赤ちゃんが試作のあまこうじをおいしそうに食べたことに注目。「甘さがほしいがハチミツや砂糖はなるべく避けたい」といった母親の悩みがあまこうじなら解決できると考えた。

     乳児向けにくせのない自然な甘みに仕上げたあまこうじは「おりぜ」というブランド名で来月中にインターネットで販売を始める。卒業後は大学院で研究を続けながら、経営にも力を入れるつもりだ。「多くの世代に愛されていけるような発酵商品も作っていきたい」と意気込んでいる。

    カラス被害解決提案 宇大特任助教・塚原さん

     カラスの研究を約16年にわたり続けている宇都宮大特任助教、塚原直樹さん(39)は、昨年12月にカラス被害解決のコンサルティング会社「クロウラボ」を設立。長年の研究を生かして効果的なカラスの撃退方法を提案しようと、商品開発などに取り組んでいる。

     塚原さんはカラスや天敵のタカの鳴き声を再生し、カラスを追い払うセンサー付きスピーカーを開発。ゴミ収集所でカラスが袋を突っつき、ゴミが散乱するケースなどでの実用化を目指している。

     また、長野県飯田市と連携し、長期的なカラス被害の防止にも取り組む。周辺の農家で農作物の廃棄状況を確認するなどカラスに自然に餌付けしてしまうことがないよう指導し、環境に見合った個体数へと導く計画だ。

     「現場の問題を自分の知識を生かして解決したい」という思いは常に持っていた。研究者の頃は大手企業と商品開発を行ったが、理想の商品をなかなか形にできずに歯がゆい思いがあり、起業に踏み切った。

     マーケティング調査や営業など、初めてだらけの日々に不安もある。それでも、「他にはない事業。自分の知識を生かし、カラスと共存できる社会を目指したい」と汗を流している。

    オフィスを低額賃貸も

     宇都宮市はベンチャー起業家の支援に力を入れている。

     市は今年度からふるさと納税を活用し、地域振興事業に取り組むベンチャー企業をサポートする仕組みを作った。アグクルとクロウラボはいずれも、その支援対象に選ばれた企業だ。9月上旬から、事業内容に共感した人にふるさと納税として支援金を寄付してもらい、同額を市が2社に補助する。

     2002年に設立した起業家を支援する組織「宇都宮ベンチャーズ」の活用も好調だ。市が県内の企業経営者らで構成する運営委員と連携し、オフィスとして低額で部屋を貸し出している。県産業会館(同市中央3)にある8室は現在満室で、16年間で40社が利用した。無料の経営相談や情報提供もしている。

     市外から移り住んで起業する人を対象に、事業所の家賃経費などを助成する「市UJIターン起業促進補助金」も08年に創設。市産業政策課の担当者は「今後も支援を行っていく」と話している。【萩原桂菜】

    宇都宮大

    公式HP:http://www.utsunomiya-u.ac.jp/
    所在地:〒321-8505 宇都宮市峰町350
    電 話:028-649-8172

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