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大学倶楽部・拓殖大

「餅プロジェクト」始動 ゾドからのモンゴル遊牧民救援を目指す

モンゴル・アルフスト村でが遊牧民らと餅つきを行った
臼ときねを使わない簡単な餅の作り方を指導する学生
アルフスト村で遊牧民と記念撮影に臨む学生ら

 拓殖大の学生有志らは、モンゴル特有の大寒波「ゾド」の被害を受けたモンゴルの遊牧民を餅の普及で救おうと、「餅プロジェクト」を始動させた。学生らはまず餅を広めるため、8月18~22日にウランバートル郊外130キロ西にあるアルフスト村とテレルジ国立公園を訪れ、餅つきの実演と家庭でもできる臼やきねを使わない餅の作り方を遊牧民らに教えた。

     モンゴルは2016年から3年連続で「ゾド」と呼ばれる気象現象に見舞われ、移動式住居「ゲル」で生活する多数の遊牧民が家畜を失う事態に直面している。ゾドが発生すると、家畜は干ばつによる牧草の欠乏から夏の間に十分な量の草を食べることができず、脂肪を蓄えられないため、続く最低気温が氷点下50度にもなる冬の寒さや大雪に耐えられず死んでしまう。モンゴル気象環境監視庁によると、今年はすでに71万頭を超える家畜が犠牲になったという。

     財産である家畜を失った遊牧民は、遊牧を維持できず、首都ウランバートル近郊の丘でゲル生活を余儀なくされている。しかし、定住を始めた遊牧民が排出する生活排水による土壌汚染や石炭ストーブによる空気汚染など、現地でさまざまな問題が引き起こされている。

     プロジェクトには、同大国際学部の茂木創准教授のゼミナールに所属する学生4人が参加。餅の長期保存性、高い栄養価に注目して、ゲル集落における餅備蓄の推進や生活環境の改善、さらには原料の日本米のモンゴルへの輸出拡大も目指している。

     先遣隊として茂木准教授とプロジェクトメンバー4人が8月18日から5日間の日程でモンゴルを訪問。アルフスト村では、ゲルを移動させた轍(わだち)を頼りに協力してもらえるゲル集落を探し出し、遊牧民と一緒に餅を作り、食べ方も指導した。テレルジ国立公園内にあるゲルをモチーフとした観光宿泊施設(ツーリストゲル)に現地の高校生20人ほど呼び、餅つきを通じた異文化交流を実施した。

     先遣隊の代表で同大政経学部4年の嶋村理恵さんは「現地での餅の評判は良かった。行って初めて分かった課題も多かった。これからも研究を続けていきたい」と話した。同3年の権執印(ごんしゅういん)直輝さんは「日本と食文化が異なる人たちに餅を知ってもらうため、渡航前から試行錯誤を繰り返した。これからも互いの食文化を大切にしながら創意工夫していきたい」と語った。

     プロジェクトは16年ごろから始動し、今年度には学生の取り組みを同大が支援する「学生チャレンジ企画」に採択された。担当教員の茂木准教授のほか、モンゴルについて共同研究する東北大大学院の劉庭秀教授、同博士課程のダライ氏、モンゴル科学技術大のバーサンダッシュ教授らも協力している。学生らは、ダンバダルジャー・バッチジャルガル駐日モンゴル国大使を表敬訪問しプロジェクト内容を説明したり、もち米の生産供給について茂木准教授が審議委員を務める群馬県農政部やJAはぐくみなどの関係機関と意見交換をしたりしながら準備を進めてきた。

    拓殖大

    公式HP:http://www.takushoku-u.ac.jp
    所在地:〒112-8585 東京都文京区小日向3-4-14
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