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大学倶楽部・宇都宮大

公開講座 脳トレ川柳 私の人生24句 優秀作品を発表

宇都宮大学公開講座で、句の作り方を学ぶ受講生たち

 川島隆太・東北大学加齢医学研究所教授の指導で、毎日新聞日曜くらぶ「脳トレ川柳」で月1回読者からの投稿作品を掲載する、人気のコーナー「私の人生24句」。これを宇都宮大公開講座「作ってみませんか 私の人生24句」でも開催。7月から9月にかけて計5回行われた。13人が受講し、受講者の作品から優秀作品3作品が選ばれた。

     「私の人生24句」は400字詰め原稿用紙1枚分に相当する文字数で川柳を24句作句し、皆さんの人生を表現するもの。過去の出来事を思い出して年代順に並べて、川柳や文章などに構成することで、脳の働きを活性化させるという。

     講座では、グループごとに過去の毎日新聞記事を切り抜いて自分なりの新聞紙面をつくる「まわしよみ新聞」を作ったり、過去の出来事を書き出す毎日新聞社製「思い出ノート」を使ってこれまでの歩みを思い出したりした後、一人24句の川柳を作った。

     優秀作品は毎日新聞社から派遣した講師の評価点数と、受講者の評価点数を合わせて合計点が高いものから3作品を選んだ。

     優秀作品の作者は以下の通り。

     ラブママさん(65)、あたゆうすけさん(61)、小原澤榮子さん(85)=ペンネーム含む。いずれも宇都宮市在住。【山本建】


    ラブママさん(65)の作品

     (1) 人生が花見の夜からはじまった

     (2) 13軒うち7人が同級生

     (3) 風そよぐ田園地帯が保育園

     (4) タイガース拓郎陽水好きだった

     (5) 真似(まね)てみたアイビールックにベルボトム

     (6) 歩行天(ほこてん)できどって食べたハンバーガー

     (7) ひととおり無難にやった花嫁修業

     (8) 決めました修業なかばで花嫁に

     (9) 事故に怪我(けが)と新婚生活甘くない

    (10) 二人の子予防接種に強かった

    (11) 子育てと慣れぬやりくり二十代

    (12) 義父母の入院ダブルでやってきた

    (13) 良き嫁を演じてみせた四十前

    (14) 子も嫁ぎ犬との会話で本音言う

    (15) むすめ達私似愛犬夫似

    (16) 女子会という名のランチ食べ歩き

    (17) 手は四割(しわり)愚痴を言い合う習い事

    (18) 還暦が病魔をつれてやってきた

    (19) 共白髪(ともしらが)誓ってからは四十年

    (20) 面倒な夕飯サプリにしてほしい

    (21) 日焼け白髪で聞けば今日もブービー賞

    (22) ふと思うよかったのかなこの人で

    (23) だからとて断舎離せずに末永く

    (24) 寄りそいて夢は世界の一周旅

     農家の初孫で男児希望の中、生まれた。「少子化」という言葉もなく、風薫る5月黄金波うつ秋そんな四季の中、桜咲く頃生まれ育つ。父はナイター、私たちはGS(グループサウンズ)とテレビ1台を取り合った。東京学生寮での生活は4人部屋で楽しかった。休みは銀座や新宿へ繰り出し、気分は都会人。

     世の「適齢期」にさしかかり、あせりを感じ細身長身の主人と結婚。埼玉県越谷市で新婚生活を始める。主人は事故に遭ったり、休日の野球でけがしたりで、私は給料明細書とにらめっこで家計をやり繰り。

     義父母と同居して10年目、2人の入院が重なり病院通いの日々で「母親」や「妻」は二の次三の次に。子の結婚で親の役目は済んだとひと安心も、心配事は次々と。愛犬のツンデレが主人似で死んだら後追いかと思う程の可愛がりよう。

     高校の級友7、8人と2カ月一度の食事会、月2回コミセン(コミュニティーセンター)で地域の人たちと古布飾り。60歳の誕生祝いもつかの間、がんで2カ月半入院し、健康一番と痛感す。

     夫と私もいつの間にかこんな年齢に。諸事おっくうで、夕飯作りも面倒。聞かれるのも嫌だろうけど、今日のゴルフはどうだったの? もっとシャキッと、ときめく人生送りたいのに。まあ仕方ないとお互いに思う今日この頃だ。

    あたゆうすけさん(61)の作品

     (1) 丁酉(ひのととり)都会生まれの田舎者

     (2) 気が付けば薩摩の国で訛(なま)ってた

     (3) お泊りの先生宅でおねしょする

     (4) 1杯の拉麺(らーめん)啜(すす)る母と子で

     (5) 小3で父母離婚運の尽き

     (6) よかにせは訛りのせいで虐(いじ)められ

     (7) 田舎者住めば愉快だ東京は

     (8) 母子家庭新聞配り金次郎

     (9) 漱石に憧れたけど才は無く

    (10) 入りたい門は閉ざされ引き籠もり

    (11) 夢破れ知らず知らずに社会人

    (12) 人並みに結婚しても落ちこぼれ

    (13) 見送りは新婚時代たったの7日

    (14) 3人の娘のオムツ替える日々

    (15) サラリーマン千円亭主皆勤賞

    (16) 女房のご機嫌取りに挫折して

    (17) マイホーム住んだら直ぐに転勤に

    (18) さようなら生き方違う君と僕

    (19) 熟年の離婚までもが親に似て

    (20) 定年を迎えたけれど何するの

    (21) 子供までパパはいらないグッドバイ

    (22) 何もかもついていないよ本当に

    (23) 憂さ晴らし安酒呑んで大喧嘩

    (24) 夢見ます残る人生悪足掻(か)き

     横浜市神奈川区生まれ。2歳半まで暮らす。父の故郷鹿児島県出水市へ引っ越す。幼児期の恥ずかしい記憶が鮮明に残っている。

     田舎の何もない貧しい生活だった。両親の離婚で逃げるように出水を出て横浜に転校する。鹿児島弁のせいでいじめられ小4で、東京に転校する。

     母の郷里の人たちが働く会社があった品川で暮らす。小5から同級生と新聞配達を始める。高校生になり文学にのめり込む。アルバイトで学費を稼ぐ学生時代。

     ノーベル賞作家ソルジェニーツィンに興味を持ちロシア史を学ぶ。入った会社で出会いがあり29歳で結婚。娘3人を授かる。娘たちのおかげで頑張れた。仕事漬けの日々。自由のない生活が続く。3人の娘と一緒に走った運動会が一番の思い出。

     家を建てるやいなや転勤で単身赴任となる。思えば楽しい結婚生活だった。娘3人を授かり妻に感謝。

     やはり結婚に無理があったのかもしれない。離婚後4年間、母の介護をさせて頂けたことに感謝。これからの長い老後、生まれてきたかいを見つけたい。娘3人も立派に成人。父親が居なくても子は育つ。

     61年不運続きだが悔いはない。月一回先輩と飲んでストレス発散。残りの人生、学生時代の夢をかなえたい。

    小原澤榮子さん(85)の作品

     (1) 終(しま)い子(ご)や春3月に戸籍入り

     (2) 股関節治療のあした226

     (3) 終戦や国民学校終わりけり

     (4) 中学は越境往復12キロ

     (5) 高校も学士修士も通信制

     (6) 保健師は小平重吉知事の治世(とき)

     (7) 助産婦となりて渡航は東パキスタン

     (8) からだ文字産婆の技を手解(てほど)きて

     (9) 人生の折り返し点をバングラに

    (10) 異文化に看護(みとり)の道理(みち)を解き伝え

    (11) ガンジスを流れながれて人の終(つ)え

    (12) バングラに居て平成の御世に入り

    (13) 助産婦の壇に立つべく里帰り

    (14) 母子保健エキスパートの使命うけ

    (15) 医療功労受賞のあした皇居拝

    (16) 日本から表敬訪問コイマチャク

    (17) 痛み終えし母は末期の咳(しわぶ)きて

    (18) ストレスの国ほのぼのと懐かしき

    (19) FBはボケない術(すべ)を保つ伝手(つて)

    (20) Uキャンの講座ちぎり絵八十路坂

    (21) 老いの坂サルコロコモの付録付き

    (22) フレイルを構えずに受け老いを観る

    (23) 母の歳越えきて八十路現在(いま)を生き

    (24) マイブック365の証し

     1933(昭和8)年3月に誕生。病気治療で東京住まいの際、2・26事件に遭遇した。終戦の年、国民学校を卒業。

     中学校では、自宅から往復12キロを通った。高校、大学、大学院修士課程とも通信制で学んだ。看護学校同期の友人が知事秘書として、ヘリで宇都宮上空を旋回し、話題に。

     教会の縁で赴任した東パキスタン(現バングラデシュ)では、言葉のハンディのため身ぶり手ぶりで苦闘の指導。21年後にも再訪した。

     文化の違う国での活動は結構なストレス。ガンジス川に流れ着いた頭蓋(ずがい)骨を男子の看護学生が持ち帰り補助教材に使いたいと言う。昭和の御代はバングラデシュで終わった。

     いったん帰国後、3度目、救急産科医療の専門家としてバングラデシュへ。その後、シニア海外ボランティアとしてラオスへ。表敬訪問のあいさつはラオス語で「コイマチャクニップン」。

     母の末期を昔のメモから思い出す。長年活動したバングラデシュもストレスフルな国ながら、懐かしい。

     FB(フェイスブック)を始める。新しい時代のツールも日々使えば健康に良い。生活機能低下とも付き合って暮らす。

     マイブックを書くことは、365日の記録で何事にも飽きっぽい自分にとっての「継続」の証しです。

    宇都宮大

    公式HP:http://www.utsunomiya-u.ac.jp/
    所在地:〒321-8505 宇都宮市峰町350
    電 話:028-649-8172

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