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大学倶楽部・東洋英和女学院大

戦死報告返信、遺族の元へ 写真家夫婦が返還作業 学生ら協力

手紙を手渡した大学生の後藤さん(右から1人目)と遺族の小亀さん(右から3人目)

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 太平洋戦争末期の沖縄戦で戦死した兵士の元上官の手元に、遺族に報告した書簡の返信が多数残されていた。青森県深浦町の写真家、浜田哲二さん(56)、律子さん(54)夫婦が東洋英和女学院大など首都圏の大学生らと協力して、この返信を遺族に返す活動に取り組んでいる。部隊の多くが北海道出身者で、これまでに道内だけでも36通の手紙を届けた。

     陸軍歩兵第32連隊第1大隊長だった伊東孝一さん(98)=横浜市=は終戦の翌年、部下計500人の遺族に手紙を送り、遺族から返事のあった356通を保管していた。

     手紙の存在を知った浜田さん夫婦が2017年5月、大学生と共に返還作業を始めた。記載されていた当時の住所や古い電話帳などを手がかりに、遺族を捜している。

     大学生らは11月4日、幌加内町出身で同連隊に所属していた松本安司さんの妹で、札幌市西区に住む小亀綾子さん(89)方を訪ねた。

     松本さんは、那覇市首里石嶺町周辺で米軍との戦闘中に戦死したとみられる。東洋英和女学院大4年の後藤麻莉亜さん(22)は薄茶色になった封筒を小亀さんに手渡した。手紙では、松本さんの父が「戦死現認証明書、有り難く受けたまわりました」(原文)などと書いていた。

     小亀さんは「ギターや尺八の演奏が得意で、優しい良い兄さんだった。大変だったと思うがよく見つけてくれた。仏様に供えたい」と感謝。「若い人がこうした活動に関わってくれるのもうれしい。戦争だけはダメだね。戦争だけは」とつぶやいた。

     沖縄戦は住民を巻き込んだ地上戦が約3カ月続き、日米で計約20万人が犠牲になった。北海道出身の兵士は沖縄県外者としては最も多い1万800人が戦死。伊東さんが保管していた356通の手紙のうち8割程度が道内からの手紙だったという。

     これまでに返したのは、札幌市、砂川市、帯広市など道内分36通を含む52通。伊東さんは「97歳を超え、私自身が直接出向いてご報告できないことをおわび申し上げます」「二度と無謀な戦争を引き起こさない国家を再興するために、及ばずながら尽力させていただいたつもりです」などとする遺族へのメッセージを、学生たちに託している。

     浜田さんは「手紙を出した本人は多くの場合すでに亡くなっており、当時の遺族が戦死者に対して抱いていた思いも詰まっている」と話す。後藤さんは「この活動を通じ遺族と交流したことで、戦後70年以上たっても、なお戦没者を思い続ける遺族がいることを再認識した」と話した。【安達恒太郎】

    東洋英和女学院大

    公式HP:http://www.toyoeiwa.ac.jp/daigaku/
    所在地:〒226-0015 横浜市緑区三保町32
    電 話:045-922-5511

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