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大学倶楽部・関東学院大

18歳からの選択・安楽死を認めるべきか 法学部の10人が議論

意見をまとめるために話し合う学生たち
議論を交わす学生たち

 さまざまなテーマで大学生が議論する「18歳からの選択」。今回のテーマは、安楽死を認めるべきかどうか。安楽死については、人工呼吸器装着などの延命措置を行わず自然な死を迎える尊厳死と区別し、不治の病などで回復の見込みのない人が耐え難い苦痛を抱えている時、本人の意思に基づき積極的に死を選ぶことと定義した。関東学院大法学部1、2年生に議論してもらった。

    賛成 意思を尊重すべきだ

     安楽死を認めるべきだ(以下、賛成派) 高齢になって病気になり、治る見込みがない状態になったら、人に迷惑をかけて生き続けるより死を選びたいという気持ちになるのは理解できる。

     安楽死を認めるべきでない(以下、反対派) しかし、人は一人では生きていけない。生まれてから成長して大人になるまで、人に迷惑をかけずに生きていくことなんてできないのだから、死ぬ時も迷惑をかけずには死ねないのでは。

     賛成派 生きていくことが、その人にとって苦痛が長引くだけなら、死んだ方がいいと思う人もいると思う。そういう人たちの意思は尊重すべきではないだろうか。

     反対派 でも、人は普通は生きていたいと思うものなのではないかな。

     賛成派 痛みやつらさは本人にしか分からない。生きることが幸福ではないということもあり得る。

     反対派 だからといって、死ぬことも含めて幸福を追求する権利だとは言えないと思う。

     賛成派 オランダやスイスなど、すでに条件付きで安楽死を認めている国はあるよね。治る見込みがないなら、治療に使うお金を家族に残したいと思う人もいるだろう。安楽死を認めれば、いざという時の選択肢が増える。

     反対派 でも、死を選ぶ権利まで、自己決定権だといって認めることはできない。生を与えられた以上、人生を全うするのが、その人の義務ではないかと思う。

    反対 自ら死を選ぶ違和感

     反対派 安楽死を認めると、治る見込みのない病になった人への圧力になるのではないかな。「安楽死という方法もあるよ」と言われたら「死んだ方がいいということなのかな」と思ってしまうかもしれない。

     反対派 安楽死を考える状況の人は、苦痛もあるし、家族にも迷惑をかけてるし、お金もかかる。安楽死が認められたら安易に死を選ぶ人が出てくるかもしれない。

     賛成派 でも、病院のベッドの数には限りがある。治る見込みのない人より、治療すれば助かる可能性のある人を優先すべきだと思う。

     反対派 だけど、今は治る見込みがないと言われていても、医学の進歩で治療できるようになるかもしれない。

     反対派 安楽死が認められると治療を怠る医師が出てくるかもしれない。医療全体のレベルが下がる可能性だってある。

     賛成派 本当に本人が安楽死を望んでいるのか、本当に治る見込みがないのかを含め、第三者機関が安楽死を認めるかどうか判断するようにすればいい。そうすれば医療のレベル低下も防げる。

     反対派 でも、そもそも人には自ら死を選ぶ権利があるのか。

     反対派 自分が不治の病で苦痛に耐えられない状態になったら死にたいと思うかもしれないけど、家族が不治の病で「もう、死にたい」と言っても、簡単には「いいよ」とは言えないと思う。

     賛成派 もちろん簡単に「いいよ」とは言えないかもしれないけれど、最終的には「自分で決めることだから任せる」と言うと思う。

     反対派 でも、人生の終わり方として、自ら死を選ぶのは、どうしても違和感があるな。

     × × ×

     「18歳からの選択」は、政治の基礎となる自由、平等、権利や、どのような社会に住みたいかを考えるため、賛否のある構想・制度や、議論になっている社会問題や課題について、大学生に議論してもらうもの。学生たちは自分の考えとは無関係に2グループに分かれ、議論は結論を出すためでも、勝敗を決めるためでもないことを前提にしている。今回は関東学院大学の村上裕法学部長、原口佳誠法学部准教授の協力で、同学部の1、2年生10人が参加した。記事は学生の発言を基に再構成した。【ファシリテーター・構成 石塚淳子】

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