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大学倶楽部・神戸大

岩手・大槌高復興研究会が定点観測 旧庁舎解体 近藤研究室のメンバーと

旧役場庁舎(右奥)と南側の更地などを写真で記録する大槌高校生

 東日本大震災の津波で大きな被害を受けた岩手県大槌町で12月1日、県立大槌高校の復興研究会メンバーらが定点観測を行った。町が来年1月中旬以降に重機で取り壊すとしている大槌町役場旧庁舎周辺でも5年前から、かさ上げ工事などの変遷を記録してきた高校生らは、その「最後の姿」を写真と心に刻み込んだ。定点観測は2013年春から町内180カ所で年3回、生徒が同じ場所・角度からカメラ撮影してきた3000点を超える復興の記録。観測を前にこの日午前、活動を共にする神戸大工学部・近藤民代研究室(建築学)のメンバーと、1~3年生17人が「まちづくりワークショップ」で意見を出し合った。

     生徒は、町役場職員や歯科医院勤務、ジャーナリストなど、就きたい職業を発表。「復興まちづくりや企業誘致にかかわる」(2年、佐々木加奈さん)▽「結婚しても大槌の商店街を利用したい」(2年、菊池歩優さん)▽「まつりなどに参加して盛り上げたい」(1年、佐々木結菜さん)――と、古里に貢献する夢を語った。

     午後は、同高教員や復興工事担当者のサポートを受けながら、旧庁舎などがある中心部と、赤浜、安渡、吉里吉里地区に分かれて22人で撮影。旧庁舎近くに昨夏、自宅兼店舗を再建した3年、佐々木秀季さんは「旧庁舎で家族を亡くした人が、見るのがつらいという気持ちはよく分かる。被害を繰り返さないためにも爪痕を記録し、自然豊かな町の魅力を発信したい」と話した。

     同じく町中心部に自宅が再建された3年、三浦拓也さんは盛岡市の専門学校に進学する。「復興研究会の活動で、大好きな大槌駅前に家や建物が建ち並び、にぎわいが戻ってきたことを肌で感じた。防災訓練にも参加して地域の人たちと交流を深め、今後も古里の復興にかかわりたいという思いが強くなった」と目を輝かせた。

     町はこの日、今月3日から旧庁舎前の更地で建物跡の基礎部分の撤去を始め、立ち入り禁止にすると発表。同じく旧庁舎近くで生まれ育ち、解体前に旧庁舎内に入り、行方不明の兄健さん(当時30歳)の「最期」の場所を確かめたいと願う会社員、倉堀康さん(35)は今回、定点観測に初めて参加した。

     倉堀さんは「ほとんど変化がなかった時期から、町の移り変わりを粘り強く記録してきた高校生は『すごい』」と称賛。「旧庁舎が壊されることになっても、写真や動画で記録し後世に震災の被害を伝えることは、自分が一番やりたかったこと」と話し、兄の面影が残る旧役場庁舎周辺を記録し続ける考えだ。【中尾卓英】

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