成蹊大学などを傘下に持つ成蹊学園(東京都武蔵野市)と国立極地研究所(同立川市)が12月17日、包括連携協定を締結した。同学園が収集してきたデータを極地研に提供したり、極地研が南極や北極で得たデータを学園の教育に役立てたりしていくという。私立の学校法人が極地研と協定を結ぶのは初めて。
同学園は気象観測で90年の歴史を持ち、学園全体で環境教育に力を入れている。4年前から極地研の協力で、オーロラと宇宙に関するシンポジウムを開くなど関係を深めていた。両者は今後、国連教育科学文化機関(ユネスコ)が進める持続可能な開発のための教育(ESD)の推進に取り組む。
同学園の亀嶋庸一学園長は「学園全体で連携していくなかで、教育・研究の成果を社会に発信したい」と話し、極地研の中村卓司所長は「持続可能な社会を担う次世代の育成は喫緊の課題。両者の連携によって社会に一石を投じたい」と意欲を語った。【中根正義】