ラグビーの全国大学選手権準決勝は1月2日、東京・秩父宮ラグビー場で行われ、明治大(関東対抗戦4位)が早稲田大(同2位)に31―27で競り勝ち、2大会連続の決勝進出を決めた。天理大(関西1位)は9連覇中の帝京大(関東対抗戦1位)を29―7で破り、7大会ぶりに決勝へ進んだ。
明治大は前半終了間際に早稲田大を逆転し、逃げ切った。天理大は接点で優位に立ち、セットプレーでも帝京大を圧倒。快勝した。
決勝は12日に秩父宮ラグビー場で行われ、明治大は22大会ぶり13回目の大学日本一、天理大は初優勝を目指す。
明治大、競り合い制す
敗れた早稲田大の相良監督が嘆いた言葉が、この試合を象徴していた。「客観的に、この試合を取るんだという意地を明大に感じた。我々がけおされていた」
明治大の迫力が凝縮していたのは後半20分のトライだ。早稲田大に押し込まれ、30回以上もの連続攻撃に体を張って耐えた。自陣ゴール前の密集で圧力をかけた明治大がようやくボールを奪うと、SH(スクラムハーフ)福田選手が素早く前進。最後はフッカー武井選手が密集を乗り越えてインゴールへ飛び込み、リードを広げた。
個々の能力は抜群でも、集団では力を発揮しきれないのが今季の明治大だった。関東対抗戦では帝京大を破りながら、慶応大、早稲田大に屈した。全国大学選手権で8大会ぶりに実現した早稲田大との再戦では、密集に人数をかけすぎず、FW(フォワード)とバックスのつなぎを重視。早稲田大バックスの突破力を封じ、「早明戦のリベンジという強い気持ちで臨んだ」と主将の福田選手は胸をなで下ろした。
昨季は全国大学選手権決勝で帝京大に1点差で惜敗した。田中監督は「ノーシードから難しい試合を勝ち上がり、選手がタフになっている」。永遠のライバルからの白星で、1996年度以来の大学日本一へ勢いをつけた。【大谷津統一】