メインメニューをとばして、このページの本文エリアへ

大学倶楽部・琉球大

元軍船発見、過程描く本刊行 池田教授 水中考古学の入門書にも

『海底に眠る蒙古襲来 水中考古学の挑戦』

[PR]

 長崎県松浦市の鷹島沖の海底で見つかった、鎌倉時代の蒙古襲来(元寇(げんこう))で沈没した元軍船の船体。その発見までの試行錯誤の過程をつづった「海底に眠る蒙古襲来 水中考古学の挑戦」(池田栄史(よしふみ)著、吉川弘文館)が刊行された。著者は調査を担当した琉球大教授。音波探査や海底での発掘、現地での遺物保存の方法と課題を紹介しており、水中考古学の格好の入門書にもなっている。

     水中遺跡発掘の難しさは、そもそもどこに遺跡があるかの見極めにある。著者と松浦市の共同研究チームは2006年、まず伊万里湾全域の海底の地形や地質の調査から開始する。音波探査で海底の堆積(たいせき)層に異常な反応があった地点をリストアップ。ダイバーが棒で海底を突き刺し、その反応で遺物の可能性がある地点を選び発掘した。

     水中での発掘には、1回のダイビングによる作業が水深30メートルなら30分、1日2回程度が限度という厳しい時間制限がある。それを念頭に調査区域や日程を設定。ダイバーがホースで海底の泥土を吸い込む形で発掘する。水中の泥の濁りがひどければ数日は調査を中止する。発見後も映像撮影や実測図作製で忙しい。著書では、作図で使う鉛筆にひもをつけて流されないようにするなど、経験からのノウハウも細かく記されている。

     船体は11年に初めて発見され、注目された。14年にはもう1隻見つかった。しかし著者は<元軍船の発見よりも元軍船発見に至るまでの過程が重要>と説く。文化庁は現在、水中遺跡の調査マニュアル作成を進めている。今回の調査手法が、それに貢献するはず。1944円。【大森顕浩】

    琉球大

    公式HP:http://www.u-ryukyu.ac.jp/
    所在地:〒903-0213 沖縄県中頭郡西原町字千原1
    電 話:098-895-8175

    おすすめ記事
    広告
    毎日新聞のアカウント
    ピックアップ
    話題の記事

    アクセスランキング

    毎時01分更新

    1. 日本テレビ「ZIP!」で誤って「栃木県警本部長 窃盗で逮捕」とテロップ

    2. 「帽子なくして注意したら『本当の父親じゃない』に激高」供述 さいたま小4遺棄

    3. 遺棄容疑で逮捕の父「若くてすらっとした印象」 「親子3人仲が良さそうだった」との声も

    4. さいたま小4殺害 一家を知る人ら「信じられない」「なぜ」 遺棄容疑、父逮捕に

    5. ラグビーW杯、なぜ「旭日旗」騒動ないの?五輪では日韓対立

    のマークについて

    今週のおすすめ
    毎日新聞社は、東京2020大会のオフィシャルパートナーです