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大学倶楽部・神戸学院大

阪神大震災24年 自作絵本で命、考える 学生ら、女児みとった母の話を基に

授業で小学生に質問を投げかける神戸学院大の学生(右端)

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 1995年の阪神大震災を体験していない神戸学院大社会防災学科の学生が1月、震災で亡くなった女児とみとった母親の話を基にした自作の絵本を使い、神戸市内の小学校で命について考える授業を始めた。一方的に震災を語るのではなく、絵本を作る過程で学生たちが感じた母娘の気持ちに、子どもたちに質問を投げかけながら近づいていこうと試みた。

 絵本を製作しているのは、舩木(ふなき)伸江准教授(41)のゼミに所属する2年生10人。震災で自宅が全壊し、下敷きになって亡くなった同市灘区の浅井亜希子さん(当時11歳)と、母鈴子さん(65)の話を題材にした。亜希子さんは救出され、手術を受ける前に「泣いたらあかん。私は大丈夫やで」と鈴子さんを励ましたが、約1カ月後に息を引き取ったという。

 「娘の生きた証しを残したい」。悲しみにくれていた鈴子さんは2000年ごろから語り部を始めた。しかし、語る度につらかった出来事を思い出して気分が落ち込んだ。やめようかと悩んでいた14年、通っていた小学校から、亜希子さんのはさみが見つかったことで、続ける意思を固めた。

 鈴子さんと以前から交流のあった舩木准教授がその話を聞き、昨年9月に絵本の製作と小学校での授業を提案し、10月に以前から防災授業で訪れていた神戸市垂水区の市立塩屋北小(山崎悦子校長)での実施が決まった。

 「活発でお母さんっ子だった」。学生たちが取材すると、鈴子さんは、明るい性格で周りから「アッコちゃん」と親しまれた娘のことをうれしそうに話し、変わらぬ愛情が伝わってきたという。仙台市出身の新妻彩乃さん(20)は「次に大きな地震が来たときに子どもたちが命を落とさないよう伝えたいと思った」と語る。山崎校長のアドバイスをもらい、1月に入って文章や絵は固まった。

 「アッコちゃんはどんな気持ちで言ったんかな?」。1月11日に塩屋北小であった初回の授業で、6年生約70人を前にゼミ生たちは、手術前に亜希子さんが鈴子さんを励ます場面について問いかけた。子どもたちには、事前に絵本の原稿を読んでもらっていた。「不安だったお母さんを安心させたかったと思う」など子どもたちはグループに分かれて意見を出し合った。授業を受けた清水優花さん(12)は「地震はいつ起こるか分からないので、家族や友達を大切にしたい」と語った。

 ゼミ生たちは今後も市内の小学校などで授業を続ける。まとめ役を果たした井手口健司さん(20)は「2人の気持ちになりきることで子どもたちが震災を自分のことと考えやすいと思う」と話した。【小西雄介】

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