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大学倶楽部・宇都宮大

群馬大との共同学部設置目指す 伊東教育学部長 栃木の教育支える

宇都宮大教育学部長の伊東明彦教授

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 宇都宮大と群馬大(前橋市)が、2020年度から全国初の「共同教育学部」の設置を目指していることを公表した。少子化で教員需要が減る見通しの中、地域の教員養成機関を強化・維持するのが大きな狙いだ。調整を進めてきた宇都宮大教育学部の伊東明彦学部長(63)にこれまでの経緯を聞いた。

 ――共同学部を目指すことになった経緯を教えてください。

 ◆少子化による教員需要の減少に伴い、17年8月に文部科学省の有識者会議が報告書をまとめました。報告書では、国立教員養成大学に対して、入学定員の見直しや大学間で共同教育課程の設置などを検討するように、と「宿題」を投げかけられました。ただ、以前から学長同士で連携を模索していました。

 ――教員需要の減少はどのような影響がありますか。

 ◆今は教員の退職者が多いため需要はありますが、33年には小、中学校の教員が現在の半分になるという試算があります。教員需要が減れば、現在の教育学部の入学定員を減らす必要が出てきます。

 ――一つの大学で教育学部を維持するのは難しいですか。

 ◆宇都宮大では、幼稚園、小学校、中学・高校全教科の教員免許取得が可能です。ただ、大学の運営交付金が毎年減り、大学の人員削減の動きが進んでいます。教員免許を出すには必要な教員数が法律で決まっていて、最低限の人数を下回ると免許が出せなくなります。地域の教員養成機関として、特に中学全教科の免許が出せなくなれば手痛いです。栃木の教育を支えていくためにも、共同学部を設置して体制を維持したいと考えています。

 ――授業はどのようになりますか。

 ◆卒業に必要な単位のうち、31単位以上を相手の大学で受講する必要があり、インターネットを使った遠隔授業システムを導入する予定です。すでに山口大と鹿児島大の共同獣医学部で活用されています。画面を通して授業を聴くだけでなく、双方向のコミュニケーションが可能です。

 ――学生にとってのメリットは。

 ◆大学の教員が充実し、質の高い教育が提供できます。さまざまな専門を持つ教員がいることで、学生にとっては学ぶ選択肢が広がります。また宇都宮大には国際学部があり英語分野、群馬大は情報分野で、お互いの強みを生かせます。合同合宿などを通して学生同士の交流も増やし、教員としての資質や能力を高められる環境を整えます。教員を志す学生が不安にならないよう、共同課程の魅力を伝えていきたいです。

聞いて一言

 栃木県内の小、中学校の教員のうち、宇都宮大出身者は約3割を占めるという。県内の他大学でも教員免許は取得できるが、一部に限られる。地方の国立大には地域の教育の質を保つ重要な役割があり、時代に合わせながら体制を維持・強化しようという大学側の熱意が伝わってきた。【野田樹】


 ■人物略歴

いとう・あきひこ

 1955年長野県生まれ。東北大大学院修士課程修了。80年に宇都宮大教育学部助手になり、2006年に教授、15年から学部長を務める。専門は理科教育学、地球物理学。防災教育にも力を入れる。

宇都宮大

公式HP:http://www.utsunomiya-u.ac.jp/
所在地:〒321-8505 宇都宮市峰町350
電 話:028-649-8172

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