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文学部・吉田加南子教授が最終講義 「詩で世界と対峙」テーマに

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自らと詩との関係を赤裸々に語った吉田教授 拡大
自らと詩との関係を赤裸々に語った吉田教授

 文学部フランス語圏文化学科教授で詩人の吉田加南子さんが定年を迎え東京・目白の同大で最終講義があった。タイトルは「詩の声 詩の言葉」。

 「私の人生・仕事の中心は詩です」と吉田さんは語り始めた。「ガダルカナル戦詩集」で知られる父・吉田嘉七さんの影響について「この詩集の存在は重いものでした」と述懐した。

 「詩というものは私の感覚では痛い、正面からぶつかったら爆発してしまう、心の奥底の秘密のような、逃げだしたくなるもの。私は逃げていました」

 救ってくれたのが、フランス語だった。大学院時代に「言葉を前にしてうそをつけない。詩と向かい合わざるを得ない、と」。フランス現代詩人、アンドレ・デュブーシェとの出会いが決定的だった。実際に訳した「流れ星」という詩を通して詩の本質の一端を語り掛けた。

 自分の経歴ばかりを語ったことに「私事が、私には詩でした。私がまるごと世界と対峙(たいじ)すること、それが詩でした」と力説した。

 歯切れのいい肉声が教室に響いた。詩人としての半生を臆せず示し、自らの詩を数編朗読。さらに、チェロの演奏とのコラボレーションを加えて、詩の魅力、言葉と肉声に関する思索を明快に訴え掛けた。【桐山正寿】

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