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大学倶楽部・龍谷大

「因幡堂・平等寺」展開幕 千年の時、伝える宝物 龍谷ミュージアムで

企画展「因幡堂 平等寺」の内覧会で、本尊の薬師如来立像に見入る来場者たち

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 京都の町のど真ん中で1000年以上、人々の祈りを受け止め続ける因幡堂平等寺(京都市下京区)。その宝物が集う企画展「因幡堂(いなばどう) 平等寺」が龍谷大学龍谷ミュージアム(同区)で開幕した。

     本堂の内装工事のタイミングで、門外不出の仏像に間近で会える貴重な機会だ。同ミュージアムの石川知彦副館長に見どころを聞いた。

    寺外初展示 イケメン阿弥陀、大師像

     因幡堂という通称は「因幡堂縁起」(重要文化財)に描かれた創建の物語に由来する。平安時代中期、天皇の命を受け因幡国(現在の鳥取県東部)を訪れた橘行平(たちばなのゆきひら)が夢に現れた僧のお告げに従い海を探ったところ、薬師如来像が引き揚げられた。現地にお堂を建て行平は都に戻ったものの、長保5(1003)年のある夜、台座も光背も因幡に残したまま薬師如来は彼のもとに飛んで来たという。行平が屋敷を改造して建てたお堂がその始まり。「平安初期は洛中に東寺と西寺以外のお寺は建てられなかった。そのルールが厳格でなくなり始めた最初期に建てられた、洛中最古の寺の一つ」と石川さん。以来、身近で霊験あらたかな仏様として親しまれている。

     秘仏の本尊・薬師如来立像(重要文化財)は因幡からやって来た「ご本人」。穏やかな顔立ち、どっしりとした太ももが印象的だ。当時の仏像は針葉樹が主流だが、桜とみられる広葉樹の一木造り。「背中に節もあり、堅くて彫りにくい材をあえて使っている。いわれのある霊木だったのでは」と石川さん。霊力を弱めないためか内刳(うちぐり)も施されず、大人2人がかりでやっと持ち上げられる重みがある。

     にもかかわらず、度々の火災に焼かれることなく守られてきた。「現在の厨子(ずし)の背後には車輪がつけられています」。何としても守るという人々の思いがにじむ。

     本尊以外の仏像は多くが寺外初公開。阿弥陀(あみだ)如来坐像(ざぞう)(鎌倉時代前期)は慶派仏師の作とみられる因幡堂きっての“イケメン”。展覧会に伴う調査で桃山時代から江戸時代初期の仏師、康正(こうしょう)の作と判明した弘法大師坐像も並ぶ。

     縁のある別の寺からやって来る仏像も。延算寺(岐阜市)の本尊・薬師如来立像(重要文化財、展示は5月11日から)は比叡山を開いた僧・最澄が因幡国で彫った2体のうちの1体で、その後お寺の地に飛来したとされる。同郷の仏様同士が、京都の地で共に来場者を迎えることになる。

     石川さんは「京都の人たちの祈りが生み出し、守ってきた宝物に注目してほしい」と期待している。


    「がん封じの寺」とも

     因幡堂平等寺は京都市の中心部、烏丸高辻にほど近い地に建つ真言宗智山派のお寺。近年は「がん封じの寺」として知られる。「平等寺」の寺号は高倉天皇から贈られたと伝わる。本尊の薬師如来は善光寺(長野市)の阿弥陀、清凉寺(京都市右京区)の釈迦(しゃか)と並び「日本三如来」とも称される。江戸時代には門前に芝居小屋などが並ぶ文化芸能発信の場となり、現在につながるにぎわいの礎を築いた。高島屋も西門の門前で創業。京都では「因幡薬師」と親しみを込めて呼ばれている。【花澤茂人】


    記念講演会

    (1)5月18日(土)「因幡堂の霊験と芸能」(因幡堂平等寺・大釜諦順<おおがまたいじゅん>住職)

    (2)同26日(日)「応仁の乱と中世京都」(国際日本文化研究センター・呉座勇一助教)

    (3)6月2日(日)「因幡堂平等寺の中世・近世」(京都文化博物館・長村祥知学芸員)

     いずれも午後1時半、龍谷大大宮学舎東黌(とうこう)101教室。先着200人。(1)(3)は聴講無料(要本展観覧券)、(2)は参加費2000円(観覧券代含む)。往復はがき▽ファクス(075・351・2577)▽メール(ryumuse@ad.ryukoku.ac.jp)▽ホームページ(https://museum.ryukoku.ac.jp/)▽ミュージアム受付で直接――のいずれかの方法で申し込む。


    会期  6月9日(日)まで=月曜(5月6日をのぞく)と5月7日休館

    会場  龍谷大学龍谷ミュージアム(京都市下京区堀川通正面下る、電話075・351・2500)

    入館料 一般800(600)円▽高校・大学生500(300)円▽小・中学生200(100)円=カッコ内は20人以上の団体料金

    主催  龍谷大学龍谷ミュージアム、毎日新聞社、京都新聞

    共催  福聚山因幡堂平等寺

    協賛  ヤマトグローバルロジスティクスジャパン株式会社、高島屋

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