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栃木の「那須」を盛り上げようと奮闘する平成生まれの若者がいる。高校生の時に那須地域の観光業に特化した株式会社「那須旅」を設立した那須塩原市出身の大学2年、八木沢玲玖(れく)さん(19)だ。那須の魅力を国内外に発信し、地域活性化を狙う八木沢さんに、観光地としての那須の将来や新時代「令和」にかける意気込みを聞いた。
起業のきっかけは高校2年の時に県のビジネスコンテストで最優秀賞を受賞したことです。賞金100万円を資本にして、会社を設立しました。現在は社長として、那須の宿泊施設のPR動画製作などをしながら、大学卒業後に会社を本格的に経営するための準備を進めています。平日は東洋大国際観光学部で観光について学び、週末は那須に帰ってきて観光地を回ったり、友人に那須を観光してもらい感想を聞いたりしています。
私は10代なので平成を語ることは難しいですが、平和だった時代の裏で、人口流出など都会と地方の差が広がったと思います。
こうした中で、観光地としての那須の現状に危機感も覚えます。今までは何もしなくても多くの観光客が訪れていましたが、情報化社会や格安航空などの交通網の発達で、そうもいかなくなってきました。ホスピタリティーの専門家のマレーシア人の大学教授にも「那須は外国人観光客に対応できていない」と指摘されました。観光客を呼び込む意識を高めていくことが必要だと思います。
「那須旅」を観光コンサルティング会社にしていくつもりなのでこの課題の解決方法を今模索していますが、いくつか考えがあります。一つは、地元の人たちを巻き込んだイベントです。やはり地域がにぎわっていない場所に観光客は来ないと思いますし、郷土愛が観光客誘致につながるはずです。
もう一つは自治体の連携です。那須地域の大田原、那須塩原、那須の2市1町が協力して、観光客を呼び込めればいいと思います。観光地を周遊するための移動手段を増やすことも必要だと考えています。
那須を世界でもトップクラスの観光地に押し上げ、盛り上げていくためにも、令和では那須の「人」や「地域」のつながりを深くすることに取り組んでいきたいです。【李舜】