[PR]
新元号「令和」の出典元となった日本最古の歌集「万葉集」の唯一の全訳英訳本「全文英訳万葉集 THE MAN'YO-SHU」(中教出版)が千葉市美浜区の神田外語大3号館で一般展示され、新入生でにぎわうキャンパスの話題を集めている。
同書は、4516首20巻からなる万葉集のすべてを英訳したもので、全3巻にまとめられている。同大元教授で、異文化コミュニケーション研究所(現グローバル・コミュニケーション研究所)の所長を務めた故須賀照雄氏が約20年をかけて翻訳し、1991年に発刊。日本的英語に徹し、短歌は五七五七七の構成に対応した五行詩の形をとり、長歌も元歌と同じ行数に翻訳している。天皇や貴族、下級官人、防人、大道芸人などさまざまな身分の人々が詠んだ歌を外国人が分かりやすく理解できるよう工夫されている。
同書は長らく忘れられた存在だったが、「新元号について、言語を学ぶ学生に理解してもらうだけでなく、留学生にも知ってもらいたい」と一般公開することにした。外国語学部国際コミュニケーション学科3年の伊藤綾香さん(21)は「留学生の友だちが日本文化を学ぶ上で面白いと言っていた」。「和歌がどう英訳されたか興味がある」と言うスペイン語専攻3年の小川絵理さん(20)は「難しいそうだけど、しっかり読んでみたい」と興味津々の様子だった。
展示は5月19日まで。実際に手に取って閲覧でき、税込み5万円で購入できる。送料無料。問い合わせは同大付属図書館(043・273・1192)。